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Channel: 増田 章の「身体で考える」〜身体を拓き 心を高める
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テニスプレーヤーに触発され〜機先を制する原則と3つの先(プラス先々の先)の実践 

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 私は、パラリンピックのテニス、また現在行われている全米オープンテニス選手権におけるテニスプレーヤーに触発され続けている。そして、溢れ出した情熱で拓心武術の修練体系の研究と理論をまとめている。

 拓心武術とは、私の考える空手武道修練法(拓心武道メソッド)の核となる理論と技術体系、そして修練法に対し命名したものである。その完成には数年を要するだろう。身体が壊れないこと、そして命が続いて欲しい。

 

 さて、その理論にある「機先を制する原則」というものを公開したい。

想像だが、超一流のテニスプレイヤー達も同様のことを実践していると思っている。もちろん、テニスプレーヤーが「機先を制する」などとは言わないことはわかっている。だが、繰り返すようだが、彼らが有する感性と私のそれは同じであると思っている。

 

 

機先を制する原則と3つの先(プラス先々の先)の実践 

デジタル空手武道教本・修錬用語辞典より

 

1)「先を活かす」とは、自己の仕掛けの起りを相手に察知されないよう相手より早く、先をとり攻撃する事である。これを拓心武術では「仕掛けの先」とも呼ぶ。

 

2)「後の先を活かす」とは、相手の攻撃をいち早く察し(読み取り)、相手の攻撃に対し〈防御×攻撃〉によって先をとり攻撃することである。これを拓心武術では「応じの先」とも呼ぶ。

 

3)「為合いの先を活かす」とは、相手との攻防(試合・仕合い・為合い)の流れの中で先をとり(機先を制し)、攻撃することである。これを拓心武術では「為合い(しあい)の先」とも呼ぶ。

 

 なお、「為合い(しあい)の先(せん)」は後で述べる「先々の先」を到達点としているので、「先々の先」と一体と考えて良い。だが、厳密に言えば、拓心武術の修練における「為合いの先」とは、相手との〈読み合い〉を意識し、それを制する攻撃法である。一方、拓心武術における「為合いの先」を包括する「先々の先を活かす」とは、相手の攻撃の「起こり」が見えないうちに、相手の気を察し(読み取り)、それを制するというものである。すなわち「先々の先を活かす」とは、無益な戦いを回避する道であり、武により自己を活かすのみならず、他を活かす道を知ることなのだ。さらに言えば、先々の先を活かすことは、組手修練の原則のみならず、自己完成のための原則である。

 

 

増田補足

 

 拓心武術における「機先を制する原則」とは、剣術の思想における、〈機・先=先をとる〉という概念を了解してはいるが、全く同じ概念かどうかはわからない。あくまで拓心武術の概念は増田 章が様々な現象の本質を考究し、考案したものである。また、〈剣〉と〈拳〉の違い、修練方法の違い、目的の違いなどがあり、同一の概念かどうかはわからない(私は古武術を尊重するが尊崇はしない)。だが、拓心武術には拳を用いるのみならず、小武器(小刀など)を使う術が含まれている。つまり拓心武術の体系は、その修練を通じ、剣の先達が到達した境地同様、〈武の術〉を〈道の思想〉へ包括、融合していくことを到達点(ゴール)としているのである。

 

 

 なお、拓心武術の修練における「先々の先を活かす」とは、自己との対峙、かつ他者との対峙、そして自他との対話を徹底することと言っても良い。また「読み合い」を活かす組手修練により、自己を活かす武術を自他を活かす武道へ昇華することを企図している。さらに言えば、それを実現するための種子のようなもの、意識と言っても良い。是非、拓心武術の修練者はよくよくこの思想を心中においてほしい。

 

 

 

 

 

 

 

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