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Channel: 増田 章の「身体で考える」〜身体を拓き 心を高める
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第2回・月例試合

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 緊急事態宣言の発出中ではあるが、予定していた第2回・月例試合を実施した。会場とする道場は、四方に窓と出入り口があり、換気の良い道場である。もちろん入館から退館まで、基本マスク着用、試合時は密閉度の確保された面防具使用を使用した。また試合はポイント制である(直接打撃制ではあるが)。また、床の除菌等も行う。だが、マスクと面防具の着脱時にウイルスが手についたり、ウイルスを吸引したりするかもしれない。そう考えると、面防具とマスクの切り替え時にもっと気をつけた方が良いかもしれないと考えている。

 

 さて、TSアドバンス方式(ヒッティング方式)の第1回目の月例試合から約1ヶ月。実は新しい組手方式自体の開始からまだ1年も経っていないのだが、参加者は日に日に上達している。相手に顔面を打たれないように間合いを取り、かつ機をみて飛び込み顔面に突きを入れる。あるいは相手の隙を見つけて中段や下段に蹴りを放つ。また、相手が顔面を狙ってくれば、ステップバック(退き身)してかわす。「なかなか良くなっているじゃないか」と、思って見ていた。また、「追い突きを受けるには肘受けを使えばいいんだ」とか、「足捌きの基本ができていれば、もっと間合いの調節が楽にできる」とか、指導する際の課題も見えた。もちろん、個人差がある。

 今回、試合に勝利できた人は、敗者と比べ、間合いの取り方、技を出すタイミングや出し方に一日の長があったように見えた。だが、ほとんどの人が顔面突きありの組手に必要な「理合」の理解が不十分だと思う。

 とは言うものの、「顔面突きを当てても良い」「正しく打撃技が当たれば技あり」というルール設定だけで動きが変わった。個人の感覚にスイッチが入るだけで動きが変わる。この事実は私にとって目から鱗の体験かもしれない、と思っている。

 

 また、「理合」に関する認識が不十分ながら、認識させるための道筋が見えてきた。これは顔面突きのある防具式組手法による新しい修練法、TS方式の実施がもたらしたことだ。これまで、顔面突きがない組手を行なっているときは、道場生との間に大きな溝があったように思う。今は、その溝に架橋できたと思っている。しかしながら、まだその橋を渡らない者、橋の上で迷っている者などがいるかもしれない。また、橋を渡っても周りには草木が生い茂っており、どの道を進んで良いかがわからないのかもしれない。私の仕事は草木を刈り取り道を作ることである。また、その道をさらに切り開き、新しい境地へ皆を誘うことだと思っている。あとは橋を広くするだけだ。

 

【人はルール設定で変わる?】

 私の脳裏に浮かぶことがある。それは、「人はルール設定で変わる?」と言うことだ。しかし、すぐに変われない人もいるし、変わりたくない人もいるだろう(その地に満足しているのだろう)。また、うまくガイドしてあげないと理想(推論)とは異なる方向に行くこともあるかもしれない。ゆえにルールを変えれば全て良し、というものでもないだろう。

 私は、人間を創るには、ルールよりも先に大事なことがあると思う。それは「初めに理念ありき」と言うことである。そして人間の生き方を高次化して行くには、その理念を、より気高く、かつ普遍妥当性のあるものとしていくことだと考えている。

 

 私は現在、日夜ヒッティング方式の組手法を含む、拓心武道メソッドという武道哲学を含む修練法を纏め上げている。それには資料の読み込みと同時に実験や検証も含んでいる。浅学非才な私にとっては、膨大な時間と相当なエネルギーを要する作業である。実は拓心武道メソッドの考案およびTS方式の組手法の考案は、7年ほど前に構想したフリースタイル空手プロジェクトの一環である。ここで、改めてフリースタイル空手プロジェクトの総括および今後の方向性ついて小論を書いた。

 

 小論と言っても長文なので少し推敲し、次回に掲載したい。

 


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