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Channel: 増田 章の「身体で考える」〜身体を拓き 心を高める
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編集後記〜近況報告(空手武道通信12号)

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【空手武道通信12号 編集後記〜近況報告】

 

 ヘルニアによる足腰の障害は、少しずつ良くなってきている。少しづつと言っても、発症から約3ヶ月である。当初のような痛みやしびれはないが、それでも右脚の筋力は左脚の半分以下であり、太もも内側と付け根に酷いしびれがある。ヘルニアは消滅しつつあるようだが、神経障害による筋力低下は改善されていない。正直いえば、障害に慣れて来たのだと思う。また左脚が強くなり、右脚をカバーする動き方を自然と覚えたようだ。また腰に負担のかからないような動きや姿勢も自然と覚えてきているように感じる。とにかく、全く稽古ができない状況は脱した。現在、少しは空手の稽古ができる。大事にリハビリをしたい。しかし、来年は今年よりも忙しくなりそうだ(今年も忙しかった)。例えば、松井館長が始める新しい空手競技を作るプロジェクトに絡む。それは松井氏の組織のプロジェクトであり、組織がないに等しい私が、私の技術を生かすための手段として仲間に入れてくれと頼み、彼が快諾してくれた案件である。すぐに私の仕事があるかどうかは、自分の組織ではないのでわからない。 

 

 それでも私の心はワクワクしている。なぜなら、極真空手を通じ、まさに鎬を削るという表現が当てはまるようなやり取りをした戦友と理想を共有し、一緒に理想に向かって仕事ができることが嬉しいからだ。その理想とは社会において極真空手の価値を高めるということである。それは極真空手家として、共通の志でもある。

 

 我々は偉大な師が逝去した後、組織を分裂させ、対立し合った極真会館の当事者同士だ。その当事者が和解し、協力し合うようになったプロセスは、いつか詳細に書き記さなければならないと思っている。もし今後、私と松井氏が人間的に成長し、共に極真空手の発展に協力し合えるならば、そのプロセスは少なからず、人の生き方に示唆を与えると思っている。しかし、今はまだ始まったばかりである。あまり欲張らず、急がず、仲良くやりたい。もう一つ付け加えれば、極真空手の変革を長年、私は訴えてきた。その考えを理解してくれる極真空手家が出てきたことで、長年の絶望感から解放されたような感覚を覚えている。年末と年始は、最後の仕事になるかもしれないプロジェクトに向けて、リハビリと読書と執筆を行いたい。

 

【追伸】

 

 以下の写真は、今年の6月、ラグビーの日本対アイルランド戦の時、アイルランドラグビーチームのフィジカルトレーナーとして来日したマイケル・トンプソン氏と松井氏を交えて再会した時の写真である。これはトンプソン氏がイギリスに留学していた極真空手家の神戸氏を通じて打診、実現した再会である。もちろん、私も松井氏もその打診を喜んだ。私はトンプソン氏が大好きである。その理由は私の著書(増田章 吾、武人として生きる 東邦出版)に少し書いた。

 私と松井氏、トンプソン氏、そして故アンディ・フグ氏の4人は、32年ほど前、映画の撮影のために10日間ほどスペインに滞在し、行動をともにした。その時以来、我々は4人は友人なのだ。その後、各人は立場の違いにより疎遠だったが、2000年にアンディが病気で夭折し、残った私たちも歳をとった。昔を懐かしんでの再会だ。ちょうど良い時期に、ちょうど良い訪問者が訪れるものだと、天の采配に感心する。その時の模様と感慨はいずれ詳しく書き記したい。

 

2017-12-24加筆

空手武道通信/第12号 編集後記より

 


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