デジタル空手武道通信 第61号 編集後記より
【昇段審査の総評】
本デジタル空手武道通信第61号に先立って、2022年6月26日の行われた昇段審査の総評をアップした。
いつものことだが、拙く長い私のスピーチであったが、この総評に私の考え方を詰め込んだ(詰め込みすぎかもしれないが)。受審者に伝わったかどうか、不安である。と言いながら、まだ伝え足りないとも思っている。
映像を見ると、当日の私の顔はいつもより疲れていた。目の下にクマができていた。最近、調子が良くない。傍目には元気いっぱいに見えるだろうが。映像を見て驚いた。
私は毎日、もっと本を読まなければと必死だ。そして、もっと稽古しなければと後悔ばかりしている。これは良くない私の性癖である。焦ってはいけない。1日1日を薄氷を履む思いで過ごすこと。それが大事だと空手から学んだがずなのに…。
【私には話す技能が無い】
さて、私は話がいつも長くなる。私には話す技能がないからだろう。私の口下手は幼い頃からだという自覚がある。そんな私が、人の技能の無さを批評するのは恥ずかしい(お前も下手じゃないかという声が聞こえる)。
断っておくが、技能の習得を目指すのは、そのことを通じて自己の可能性を広げてほしいからだ。また、自己の可能性を信じて努力することの中に、強さの本質があると思うからだ。さらに、そのように考えれば、強さは自分の未熟さ、弱さを自覚するところから発揮されるものだとも思える。同時に全ての人に強さはあると思うのだ。かくいう私は、自分の未熟さを感じながら作業をしている。また、いつもその未熟さ、弱さを克服したいと思っている。
【道場生の努力に】
そんな中、気づいたことがあった。
そうか、話す法も「制心」「制機」「制力」だ…。そのためには、より良い基本稽古、より良い型稽古、より良い組手稽古(実地訓練)を反復することだと思う。同時に様々な状況を認識する力の養成、同時にデータベースを構築することだと思う。
今回、そんなことを思いながら作業をしている。そして道場生の努力に敬意と責任を感じている。
同時に自分の未熟を気にしてはいられないとも思っている。そんな躊躇をしていれば、余計、周りは私を理解しなくなる。故に、たとえ未熟でも自分の思いをストレートに表現していこう、と私は思っている。傲慢にならない程度に…。また、みんなに嫌われない程度にしておきたい。だが…。