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Channel: 増田 章の「身体で考える」〜身体を拓き 心を高める
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ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム(A Change Is Gonna Come)〜サム・クック

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ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム(A Change Is Gonna Come)

 

It’s been too hard living but I’m afraid to die

Cause I don’t know what’s up there beyond the sky

It’s been a long, a long time coming

But I know a change gonna come, oh yes it will

 

 この曲に初めて出会ったのは20代はじめの頃、日本のR&Bミュージシャンの柳ジョージが歌っているのを聞いてからである。だが英語の勉強をしなかった私は、歌詞の意味を理解していなかった。それから数年後、上京した私は支援者の一人で若い頃歌手だった木下氏からR & B、ソウルミュージックのことを教えてもらった。私と一回りぐらい年齢の違う木下氏は田舎者の私に色々と教えてくれた。兄貴のような人だった。若い頃の私は、木下氏以外にも年上の人達に色々と教えてもらった。兄や姉のいない私は、その人たちが大好きだった。本当に感謝している(空手の浜井先生も年の離れた兄貴のような人だった)。

 

 実は中学生の頃の私は小林旭のファンだった。またフォークソングも好きであった。中学生で小林旭のファンというと、想像力のある人なら、幼い頃の私のメンタリティーを想像されてしまうだろう。恥ずかしいが、私はかなりの変わり者だった。否、早熟だったと言った方が良いだろう。戦後の演歌も黒人のブルースにも共通点があるかもしれない。ブルースには情けない男が好きな女のこと(自分を見捨てた女の事)を思う歌が多い。演歌は愛する人を幸せにできないダメな自分を慰めるような歌が多い。今、若い人達がそれを聞けば、「なに、それ?」と違和感どころか笑うかもしれない。だが演歌やブルース、フォークやロック、歌謡曲も含め、音楽が様々な壁や格差による疎外感に苛まれる者の心を慰めたことは事実だろう。

 

 ここで「そんなことを中学生が知っていたのか」とツッコミが入るに違いない。正直、知ってはいなかった。そんなことを中学生の私がわかっているといったら嘘になる。だが似たような感覚だったのは間違いない。

 

 さて、どうしようもない壁や格差、そして理不尽な差別に苛まれながら生きる。アメリカにおける黒人の魂の叫びが米国で誕生したアフリカ系黒人音楽のルーツだろう。

 

 米国の黒人が体験した絶望感や苦しみに比べたら私が体験した疎外感や苦しみなど比較にならないことはいうまでもない。

 

 私は新型コロナウイルス感染拡大予防のための自宅待機の中、「リマスター:サム・クック(Netflix)」上映時間:74分/監督:ケリー・ドゥエイン・デ・ラ・ベガ/キャスト:サム・クックを観た。それ以外、ニナ・シモンという黒人女性歌手のドキュメンタリーも同じくネットフリックスで観た。また、クインシー・ジョーンズのドキュメンタリーも。これまで、背景や歌詞もよく知らなかった黒人音楽の姿を少し垣間見た気がした。実は、新型コロナウイルスのことと身体の不調で、私のメンタルは最悪だった。だが「アフリカ系アメリカ人公民権運動」に傾倒した、ニナ・シモンやサム・クックが体験した葛藤や絶望感から比べたら大したことはないと思った。

 

 彼らは絶望と同時に歴史に名を残すほどの僥倖も手にしている。自分と彼らを比較するなど噴飯ものだ。また彼らの絶望感は僥倖を手に入れたゆえに与えられたものかもしれない。兎にも角にも、彼らが見える敵のみならず、見えない敵とも戦っていたこと。そして戦い続けながら死んでいったのだ、と私は感じずにはいられなかった。ドキュメンタリーの内容はあえて書かない。観たら面白いと思うだろう。また音楽の素晴らしさのみならず、社会の理不尽と戦う一人の人間の生き方に感銘を受けるに違いない。同時に黒人音楽に羨望を持つ人もいるかもしれない。

 

  最後に新型コロナウイルス感染に立ち向かう全ての人達に、もし知らなかったなら、名曲、サム・クックの名曲、「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム(A Change Is Gonna Come)」を送りたい(すでに私よりも知っている人が多いと思うが)。ユーチューブを探せば、楽曲や歌詞もすぐに見つかるだろう。

 

 以前から私は米国の「アフリカ系アメリカ人公民権運動」に命を投げ出したキング牧師を尊敬している。ごく最近、ネットフリックスのドキュメンタリー作品によって、マルコムX、ニナ・シモン、サム・クック、そして優等生だがクインシー・ジョーンズの生き方に勇気を得た(ネットフリックスの術中にはまっている?)。

 彼らのように命を投げ出し生きて見たい。私は極真空手を彼らにとっての音楽のようにできると思っていた。だが周りを見渡せば、恵まれているのに、あまりに貧困な…ばかりだ。もちろん私の身の程知らずの誇大妄想を反省しなければならない。これまで失敗と挫折ばかりで、やっと立っているような状況だが、まだ少し力が残っている。どんな形になるかはわからないが、その最後の力を出し切って死んで行きたい。

 

 

 ユーチューブでサム・クックの楽曲を聴く際は以下から。他にもいろんな人がカバーしています。どれもかっこいい。

参考までに書いておきますが、ウィキペディアのサム・クックの説明は不十分です。

「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム(A Change Is Gonna Come)」

 

 

 

 

以下もかっこいい

 

 

 

 

 


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