私の悪い癖である。世の中の勝負事を人生の賭けのように見ることである。実は私と同じ性癖の人もいると思う。私はラグビーW杯の決勝戦に賭けている。しかも1パーセントしか勝つ見込みのないところに。もちろん、ラグビーは素人の直感である。多くの人が接戦にはなるが、99%、イングランドの勝ちと思っているに違いない。しかし、私は南アフリカに賭けた。なぜなら、私の人生も、周りには勝てないと思われてきたからだ。今もそうだ。私は勝てないと言われたら倍の力が出るような性格である。苦い人生経験の中、少し屈折したのかもしれない。だから逆風の方が力が出る。決して逆風が好きなわけではないが…(追い風は嫌いかな、疑ってしまう)。
さて、確かにイングランドは鉄壁の守りを誇っている。南アフリカに勝ったニュージーランドを破り、また接戦を繰り広げたウェールズを大差で退けた。全て鉄壁のディフェンスと強固な闘志とチームプレーの結果だろう。素晴らしい選手たち、そして監督、素晴らしいチームである。一方の南アフリカは、データ云々より、私の好みのチームなのだ。これまでも、そう書いてきた。地味なラグビースタイル(失礼、本当はスキルフル)だが、強い意志がある。また個性豊かだ。
おそらく、イングランドの鉄壁のディフェンスを破れるかが鍵になると思うが、私は小柄だが闘志の塊のようなデクラークを軸に、真っ向勝負で、イングランドのディフェンスを破壊するように思っている。
もちろん、そこが私の好みだ。1%と言えば、南アフリカのファン、そしてラグビー関係者にお叱りを受けるだろう。だが、そのぐらいだと思っている。
そして、その上で私は南アフリカに賭ける。こんな言い方はよくないかもしれないが、私は黒人と白人が混ざっているチームが好きである。そこにラグビーの深さを象徴する何かを感じるのだ。そういう点ではイングランドにも素晴らしい黒人選手がいる。おそらく、決勝では、その選手が活躍するだろう。
とにかく、勝負は計算外のことが起こる可能性がある。もちろん奇跡というようなことを言いたいのではない。準備は重要なことはいうまでもない。しかし、勝負には数字とは別の強い意志が作用するのだ。私は、南アフリカの黒人と白人の混在したチームプレーに期待したい。どちらにしても最高の決勝になるに違いない。余計なことを書いてしまったかもしれない。少し恥ずかしい。だがラグビーは素晴らしい。今回のワールド杯ラグビーから多くのことを学んだ。今後の空手道に活かしたい。