(前回の続き、最終回です)
さて、キョクシンスタイルと同時に実施した、フリースタイルの試合に関しては、まだ選手、その他(ユニフォーム、得点ボード、決まり手の紹介等、試合の演出及び運営)のレベルが閾値(いきち/しきいち)に達していませんでした。
ここでいう閾値と言うのは、そこを超えると、観客がフリースタイル空手を面白い、やってみたいと感じるレベルのことを指します。
現在、フリースタイル空手は、私の仮説のようなものであり、理論とイメージの中にあります。そのイメージとは、フルコンタクト空手競技が、単調な戦術の比較ではなく、多様な戦術が繰り広げられる競技に生まれ変わること。例えるならば、単純な挟み将棋のような戦いから、将棋のような戦いに生まれ変わるというものです。
私は、新しい格闘技スポーツでもある、フリースタイル(空手)が理解されるには、60%以上のフリースタイル(空手)に関する、みんなの理解が必要だと感覚的に考えています。それが、先述の閾値です。
現在は、30%ぐらいです。始めた頃は、10%ぐらいでしたから、3倍です。ですから、30%と聞いて、選手の皆さんがっかりしないでください。
皆さんが、一緒に新しい競技をやってくれなければ、フリースタイル空手は誕生しません。
是非、もう1年続けて見て下さい。面白くなると思います。フリースタイル空手プロジェクトは時間が必要です。ですが、それは本物になる可能性があるということです。
短期で成長するものの多くは、時代の要請にあった刺激や話題性等の要素が、その成長の引き金になると思います。そのような引き金がフリースタイル空手にはないかもしれません。だからといって、フリースタイル空手プロジェクトが実施するに値しないと考える人は、利益を最優先に追い求める拝金主義者なのではないでしょうか。
私が考える本当に善いものとは、先述の要素を排除しませんが、核になるのは、論理的で創造性にあふれた構造、そのものなのです。しかし、それを完成、証明するには、閾値に達するまでの時間と、そこへ向かう情熱、そして、それまで続けるための資金力が必要だと思います。
私には、すべての要素が足りないように思いますが、皆さんの協力を、神様からの贈り物だと思って、大事にしながら頑張ります。
最後に、繰り返しになりますが、交流試合の選手ならびに関係者の皆さん、ありがとうございました。
お正月には、試合の映像の編集と戦い方の評論をしたいと思います。辛口になるかもしれませんが、ご容赦ください。皆さんが、納得できる評論を心がけますので・・・。
終わり
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新しい競技ルールについて③
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