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Channel: 増田 章の「身体で考える」〜身体を拓き 心を高める
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膝の手術の記録 その1

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膝の手術の記録 その1

数ヶ月前から加齢とオーバーワークにより、左膝の具合が悪かった。
空手の指導は、サポーターで膝を固め、時々椅子に座り、膝を休めながらこなしていた。

しかし、膝の具合は、歩くことはできるが、空手を行うほどには、良くならなかった。私は手術を覚悟し、病院を捜した。

実は、私の右膝は半月板の全摘手術を行っている。15年ほど前になるだろうか…(しっかりと記録を残しておくべきだった)。
しかし、その後の右膝の経過が良くなかった。稽古後にすぐ水が溜まった。
また、術後は思うように空手の稽古はできなかったように記憶する。
ゆえに手術はしたくなかった。なるべく自然治癒を望んだ。

【八王子スポーツ整形外科】
そんな不安を周りに吐露したところ、八王子にアスリート専門のスポーツ整形外科があると、師範代の秋吉が教えてくれた。

一向によくならない膝の不安を胸に、セカンドオピニオン並びに治療の方向性を確認するために、その病院を10月16日の木曜日に訪ねてみた。

診察には、予約が必要である。その日も予約がつまっていたが、遅くてもよければ、ということで診てもらった(最後に)。
運良く、その日は膝が専門の間瀬先生(院長)がいらっしゃる日だった(先生は複数いる)。待ち時間の間に、まずはMRIやレントゲン検査を行った。

診察では、左膝に半月版の損傷と滑膜炎の状態があるとのことだった。
また、半月板の全摘手術をした右膝には、「変形性膝関節症」の状態が見られるとのことを伝えられた。先生曰く、左膝は、手術による半月板の部分切除と膝関節内の悪い部分のクリーンナップにより、状態の改善は見込めるとのことだった。

先生の話を聞き、左膝の状態の改善を早くしなければ、むしろ右膝が更に悪化する可能性が高いと私は考えた。先生もその可能性を否定しなかった。

【格闘技や武道をやられる人は…】
面白いこと(?)を言われた。格闘技や武道をやられる人は、外傷の状態がかなり悪化してから、外科を訪れるというのだ。
同様のことを、私の左膝を、はじめに見ていただいた整形外科の先生にも言われた。

記憶が曖昧だが、格闘技や武道をする人は、なんでも根性で我慢するのでは…というような意味合いのことを言われように思う(笑)

更に、間瀬先生には、外傷があった時、なるべく早い段階で、状態を把握し、その処置や対処をしていれば、その後の更なる悪化は防げるというようなことも言われた。

【手術やむなし】
私は手術を回避してきたが、状態の改善が見られないのと、その状態を引きずることで、さらなる状態の悪化の可能性が高まると理解した。

また、根本的な原因を理解できたので、「今回は、手術やむなし」という結論に達した。随分と判断までに時間をかけたが…。

判断を下すのに、時間がかかったのは、仕事(指導)を休めないことや、手術の経験による、デメリットを考えたことが大きい。また、私には、少なからず、身体や手術に対する「思い込み(理解不足)」があったかもしれないということを、記録しておかなければならない。

手術という結論に達してから、急いで師範代の秋吉に術後のシフトの相談した。秋吉が速やかに、準備を整えてくれたので、心強かった。場生には申し訳ないが、これ以上無理をすれば、更に状態が悪化したであろう。

【インフォームド・コンセントの徹底】
さて、八王子スポーツ整形外科では、インフォームド・コンセントの徹底をしているようだ。また、手術の様子を最新の内視鏡を使い、モニターで見ながら手術を行う。希望があれば、患者もモニターを見る(私も自分の関節内を見ながら手術を受けていた)。さらには、コーチやトレーナーなども手術の様子を見ることができるよう、ガラスで仕切られた別室も用意されている。
感動をうまく伝えられないが、素晴らしい病院である(驚きに近いが…)。

また、間瀬院長の診察における説明の仕方は、パワーポイント(多分)や模型を使い、驚くほど丁寧である。また、理学療法士が担当する、リハビリテーションセンターの先生も、素人の私に、徹底的に筋肉の状態やリハビリの仕方を説明してくれる(もしかすると丁寧にしないと私が文句を言いそうだからかな…笑)。

手術前、間瀬先生が若い頃は少林寺拳法、現在は中国武術を修練されている武道家であると知った。色々と興味深い話を聞いたが、その中で、先生は「患者第一」をモットーとされていると伺った。

さらには、リハビリーテーショセンターでは、下は小学生から上は70歳前後の男女(プロのアスリートも患者にいるらしい)、様々なスポーツの選手がリハビリ治療を受けている(いつも患者で溢れている)。そこで私は、あらためて理学療法士は重要だと、実感している。

また、今回の手術により、私にも膝の構造が少し理解できた。正直言えば、これまで膝の構造を理解していなかった(脚や身体の構造も)。今後は、専門家の話を聞く機会を増やし、空手武道の修練体系や指導体制中に反映させていきたい。

ただ頭の悪い私は、筋肉などの名称を記憶できない。ゆえに、身体の勉強のために色々と記録をしているところだ(面倒臭いが…)。そうして、今回の外傷に対する経験を、後進の指導に役立てたいと考えている(私は入院経験が今回で5回目だ)。もちろん、私の膝が今後、悪化することも考えられる。例えそうなっても、どのような対応が最善かを、絶えず考えていきたい。

【患者第一】
最後にもう少し病院について書きたい。手術の決断は患者が行うというのが、現在の医療の通例のようだが、八王子スポーツ整形外科は、そこを徹底しているようだ。
繰り返しになるが、八王子スポーツ整形外科は、可能な限りの情報を患者に与え、患者の同意を得るよう努めているように思う(インフォームド・コンセント)。

現在、内視鏡等の技術の進歩により、多くの医療現場で、体に負担の少ない手術方法が確立されつつあるようだ。時々テレビでも見る。

八王子スポーツ整形外科は、そのような医療の最先端の道を進んでいるようだ。
そのことが、間瀬院長がおっしゃっていた、「患者第一」を実践している証明であろう。


【蛇足ながら~勇気をいただく】
蛇足ながら、土曜日の朝日新聞に掲載されていた、東大医学部6年の岡崎氏のコラム(私の視点)を読んだ。筆者は、来年から正式に医師となるという。その志として「患者第一」の精神をあげていた。

岡崎氏は優秀な医師となるに違いない。
世の中捨てたものじゃない…。
陰鬱とした話も多い昨今、志の高い若者の話に、勇気をいただいた。
木曜日、間瀬先生と術前のわずかな時間、お話しをした。
その時も、「志の気高さ」という点で、54歳の間瀬先生にも勇気をいただいたように感じる。

また、八王子スポーツ整形外科は、20数年前、ヘック八王子というスポーツクラブがあった場所にある。私はそのスポーツクラブでトレニングを行い、空手道場も開いていた。駐車場やエレベーター、病室の窓から見える、マクドナルドや丸い窓や柱は今も同じである。

私が27歳前後、22回の全日本大会大会の前年、21回の全日本大会の頃である。
その頃は、私が一番稽古をした時期でもある。とても懐かしい。
その時から20数年経ち、齢52歳を越えた。随分と歳を重ねたが、この障害を乗り越えることを、新たなスタートにしたいと思っている。


【追伸】
手術の様子を撮影した映像をいただいたので、それを、できればアップしたいと考えている。皆さんの後学のためになれば…。




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