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Channel: 増田 章の「身体で考える」〜身体を拓き 心を高める
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自意識過剰?

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自意識過剰?

息子「自意識過剰じゃね?」
父「なぬ?」
息子「だって、自分の誕生日をTシャツにいれるなんて~」
父「バカ言え、でたらめの番号を入れるよりは、何か意味のある数字を入れたかったんだ」
息子「自分の誕生日を~」
父「俺の道場の記念Tシャツだ」「他に良い数字があるか」


以上は、私が息子に道場Tシャツのデザインのラフを見せたときの感想である。

本日、私の道場の2014年版、Tシャツのデザインが決まった。

先日したやり取りは、愚息とのやり取りである。私はなんでも一生懸命にやる(自分でいうのもなんだが)。このTシャツづくりも忙しい中、色々と考えながら、全力でやっている。
それを、一刀両断にしてきた家族に、「俺をそんな馬鹿に見ているのか」と、腹が立った(笑い)。

少しだけ、私の心情を吐露したい。
実は、ここ数年、とても大変だった。その理由は悪い奴に絡まれたからである。勿論、すべて自分の判断の甘さに帰着するが・・・。また、「それもまた良し」「そういう経験をしたから、気がつくこともあった」「それを生かそう」と思い直しているからだ。また、過去をうだうだ言っている暇はない(人生はいつ終わるか分からない)。

さらに道場の移転を昨年、決行した負担が尾を引いている。ゆえに、ここ1年間、気が休まる時がない(まだ片付いていない)。しかし、仲間の協力がこころの救いである。


現在私は、道場の稽古メニューや管理方法の改善に尽力しているが、落ち着くまでには、もう少し時間がかかりそうだ。しかし、なんとか心機一転、頑張りたいと思っている。

最近、そのような気持ち、気分を創るためには、「ビジョンやコンセプトを明確にし、それを打ち出す必要がある」と直観した。その内容は、機会を見て話したいが、先ずは合宿に合わせて、道場のTシャツを創ろうと考えた。

そこで、以前にもTシャツやロゴマークのデザインの作成を依頼したことのある、坂上誠氏に相談した。

実は、坂上氏は有能なデザイナーでもあるが、熱心な増田道場生でもある。現在は独立し、自分でデザイン会社を立ち上げているが、以前は、某有名アパレルでTシャツデザインを手がけていたらしい。聞けば、数十万枚のヒット作品もあるらしい。実際、10年程前、彼のデザインしたTシャツを良く目にした。


坂上氏とは、かれこれ10年以上の付き合いになる。彼に仕事を依頼する時には、必ず、食事をしながらデザイン論を交わす。私は、彼からデザインの話を聞くと、ついつい時間を忘れる。なぜなら、彼のデザイン論が面白いからだ。

私も調子に乗り、「私もデザイナーのつもりでフリースタイルカラテ拓真道を創りたい」と熱く語る。

因に私は、「僕は、今は売れないデザイナーだけどね(笑い)」「でも、僕が死んだ後に売れるから」という落ちを必ずつけているが・・・(落ちてない?)。

今回、彼から、私が技を相手にかけている写真をトレースのような感じで使い、TSロゴと組み合わせ、デザインしたものを見せられた(決めたのは3作目)。

師範代の秋吉や高校生の道場生は「良い」という感想だったらしいが、私が拒絶した。

なぜなら、自分の写真(イメージ)をTシャツに使うということにアレルギー反応があるからだ。
私は「そういうのは、俺が死んでからにしてくれ(笑い)」とストレートに伝えた。

私は、男性も女性も、子供も大人も、誰もが着ることのできるデザインにしたかった。さらにオリジナリィティー(独自性)が有り、かつ多少の宣伝になるようなデザインにしたかった。

自分の誕生日を人に知らせたい訳ではない。そこには、独自性がないといけないのだ。それを、例えトレースであっても、写真では出過ぎなのだ。
でも、増田道場だけでは、どこの増田道場か分からない。

ゆえにシンプルな数字に意味を持たせたかったのだ。それなのに・・・・。


話を最初に戻せば、家族は口々に、「会社の設立記念日にすれば~」「なんで522なの~」と完全に馬鹿にして来た。

本当にそうかな・・・。例えば、「2014」というような4文字では駄目だ。「私は3文字が良い」と坂上氏に伝えた。彼も3文字が良いと応えた。

皆さんはどう思われるだろうか?

後は、道場生に聞くだけである。私は坂上氏のデザインが気にいった。
少し自慢すると、私のイメージ、方向性が再現されているからだ。
勿論、イメージ以上ではあるが。

最後に私は坂上氏にこう伝えた。
「御免ね、馬鹿クライアントの意見を聞いてくれて」「ありがとう」「気に入ったよ」と。
坂上氏は、電話の向こうで苦笑していた。


自意識過剰な男のくだらない話でした(笑い)。それでは皆さん、良い休日を・・・。










坂上 誠(Makoto Sakagami)
グラフィックデザイナー/イラストレーター
deeDesign(ディー・デザイン)代表
デザインの専門学校卒。総合印刷会社、総合広告代理店、
アパレルの会社を経て、deeDesignを設立。
数々の有名アパレルブランドのプリント図案の企画・制作
を中心に、ジャンルを問わず、幅広くデザインやイラスト
を手掛ける。


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