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Channel: 増田 章の「身体で考える」〜身体を拓き 心を高める
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未だ見ぬFKPの仲間へ

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 今年の2月からFKPは、私の頭の中では、ほぼ休止状態のようでした。それを無理矢理に再起動させました。本日は、次回の大会に向けた抱負を述べたいと思います(抱負等という程、威勢の良いものではないですが・・・)

【未だ見ぬFKPの仲間へ~2015年にむけて】

 私は、2006年から少数の門弟、仲間と共に、空手のみならず、あらゆる格闘技術を試せる新しい試合ルールを模索して参りました。そして、出来上がったものがフリースタイル空手です。

 フリースタイル空手の目指すところは、多様な格闘技の特殊性(独自性)を活かすと共に、そこに内在する普遍性を発見することです。言い換えれば、多様な格闘技術を交流させ、多様な武術、格闘技を尊重し、それらを活かし合うことです。

 さて、いまだ人類には、相互理解の困難や暴力の行使、現出という問題があります。それらの問題は、自他を客観的に見ることの困難に起因するのではないかと私は考えます。にも関わらず、我々人間は、自他を区別する意識やテリトリー意識などを生成します。そのような性質が、様々な矛盾と葛藤を生み出すのではないかと、私は考えます。一方、人間は、他者と共感し合う感情(こころ)を有していると考えています。
 

 私は、それらの意識や感情の存在を前提に、他者と交流し、理解し合うためのより良い手段を創りたいと考えました。また、人類の意識や感情が生み出す暴力性(攻撃性)を昇華する手段を持ちたいと考えました。その手段がフリースタイル空手という新しい武道・格闘技スポーツなのです。

 その手段には、世界中の誰もが納得できるような“明確性“が必要だと考えました。また、多様な技術を受け入れ、融合できるような“受容性”も必要だと考えました。さらには、受容した事物を基に、新たな技術と価値を創り上げるような“創造性”が最重要だと考えました。つまり、“明確性”“受容性”“創造性”を生み出すシステム(有機的組織体・構造)が必要だと考えたのです。そのようなシステムを目指すものが、フリースタイル空手です。

 かって我が国の先達のひとり、嘉納治五郎師範が、普遍性の高い理念を核に日本古来の武術を再構築し、新しい人間教育のシステムを創出しました。それが柔道です。当時、それは新しい武道の誕生といっても過言ではないと思います。さらに柔道の思想は、西洋から興ったスポーツやリーダーシップの思想(おそらくキリスト教の教えも含む)と親和性があるものでした。ゆえに、柔道はオリンピックゲームとなりました。 異論はあると思いますが、私の眼にはそのように映ります。


 私は、カラテ武道も柔道に倣い、高い理念を核にシステムを再構築するならば、オリンピックゲームに認められる可能性が高いと思っています。また、新しい武道スポーツが、21世紀以降を生きる人達の人間性回復の手段、人間教育の一助となると考えています。しかしながら、まだまだ仲間が足りない状況です。

 ここで、これまで言い続けてきたことを繰り返します。フリースタイルカラテは難しくありません。ルールがあるだけです。そして、そのルールは、ほぼ出来上がっています。後は、各地域でフリースタイルカラテ・プロジェクトを始めていただくだけです。柔道の技術も草創期は、様々な流派の人々が手探りで行動・修練し、創り上げていったのだと想像します。

 私は今、2015年に開催予定の第3回大会に向け手動き出しています。しかしながら、FKPは瀕死の状態と言っても良いぐらい脆弱です。

 私が今、祈り続けるのは、各地域で同志が行動を起こすことです。私は、思いを有する武道家が必ずいると考えています。その仲間に伝えたいのは、自分自身が1から行動すること。そのような体験が人間形成の第一歩であると同時に、自己実現への第1歩でもあると言うことです。

 最後になりますが、フリースタイルカラテは、個々が個を強くしながら、同時に他者と共に全体を創っていく武道です。それでは、自分自身で行動を起こす、未だ見ぬ友人を日本で待っています。2015年に向けて・・・。
(予定では、第3回大会は2015年9月になると思います)



蛇足
私の欠点は、馬鹿正直過ぎて、はったり等をかませないことです。はったりをかますぐらいの方が人はついてくるのかもしれませんが、それができません。なるべく真実に近いと思われることを、いつも選ぼうとしています。
さらに蛇足ですが、本当は、柔道やスポーツ等の発展形態を、各地域の宗教の伝播や政治状況等を含め、価値観の変遷というテーマで社会学的に研究したいと考えています。そんなことを言い続けて人生が終わると思います(笑い)。


2014/5/24修正



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