【4月20日、特別稽古(組手)を実施しました】
4月20日、5月の交流試合に向けた、特別稽古(組手)を行ないました。因に土曜日は伝統型の特別稽古でした。2日続けての参加者もいます(素晴らしい)。
特別稽古とは、増田道場が会員向けに実施する、通常のクラスとは別の特別なクラスのことです。参加は希望者のみ。今回は、ほとんどが少年部でした。
また日曜日というのに、子供のために1時間以上もかけて、本部道場に来てくれた保護者の方のことを思うと、頭が下がる思いでした。
ゆえに私は、参加者のみならず、少年部の保護者の期待に応えるために、しっかり指導しなければと考えていました。ですが、私の意図するところが伝わったかどうか心配です。
特に今回の特別稽古は、幼年から大人まで、参加者の年齢に幅があります。
稽古は、修練レベルや年齢を目安に、師範代の秋吉と分担して指導をする場面もありましたが、子供には難しく、大人には簡単過ぎると感じたかもしれません。
今回の稽古の眼目は、冒頭の講義(道場生との質疑応答)と円の中での稽古法にあります。
【試合に勝つために一番大事なことは何だと思う?】
私は冒頭、少年部に質問しました。「試合に勝つために一番大事なことは何だと 思う?」と。
子供達の中で、先ず一人が手を上げました。
「相手の攻撃を受け返すこと」
私は「うん、それは大事なことだ。もっと大事なことがあるよ。他に思いつくことはない?」と、さらに問いかけました。
するともう一人が、「あきらめないこと」と言いました。
私は「それは大事なことだ」「すばらしい」「みんな、相手の攻撃を受けて返したり、試合の最後まであきらめずに全力を尽くすことは、とても大事なことです」「みんな頑張ってね」と応えました。
私は、さらに問いかけました。「まだ、大事なことがあるよ」「何でも良いから思いつくことを言ってみて」と。
すると、府中道場のるき君(漢字が難しい)が手を上げました。
るき君の応えは、「どうしたら勝てるか、考えること」でした。
私はその応えに対し、「そう、それが一番大事だ」とみんなに伝えました。
おそらく、彼は普段の稽古中の私の言葉を聞いていたのだと思います。
私は「みんな、どうしたら試合に負けないようになるか、勝てるか、自分で考えてみよう」「それでは稽古開始、みんな並んで」と声をかけました。
特別稽古では、本当に簡単な稽古しか行ないませんでした。私には、皆に教えている技の数倍もの技があります。しかし、試合稽古の眼目、重要なことは、「どうしたら、自分がより善くなるか(強くなるか)」、道場生自身が考えるようになることだと、私は考えています。
また限られた時間内、異なる修練レベルの会員達を導くためには、簡単なことしかできません。しかしながら、簡単なことに真髄があると思います。
今回の稽古で行なったことは、ミットを蹴ることと突くこと(打ち込み稽古)相手の攻撃を受け返す、組手型の基本の練習のみです。
【位置取りの練習】
少し難しかったのは、位置取りの練習です。私の道場では「運足の型」の稽古をします。
「運足の型」とは、簡単に言えば、フットワークの訓練と相手との間合い・位置を意識する訓練です(運足の型は1から10まであります)。
また、私の流派には、前後の間合い・位置取りのみならず、相手の斜め横、相手の背後を取る、間合い調節(位置取り)を大切にします(まだ、道場生には伝わっていません)。
私は、この感覚を体得するために、「フリースタイルカラテ」という競技法を考えました。正直、フリースタイルカラテの眼目を真に理解する者は、まだ多くはありません。しかし、その内、常識となると思っています。
何故なら、その眼目は、伝統のカラテ、あらゆる格闘技に必要な普遍的・要素に繋がっているからです。
【組手スペースを円にしました】
私はこの部分を子供にも理解させるために、思い切って組手スペースを「円」にしました。
以前から、私の良き理解者である国士舘大学レスリング部監督の朝倉先生に「フリースタイルカラテの試合場は円にしたら良い」「円にするべきだ」と言われていました。私もそうしたいと思っていました。
しかし、私がそれを実施しなかったのは、私の協力者への遠慮(あまり私が独断専行し過ぎると、みんながついて来られなくなると判断したから)と費用面の懸念等があったからです。しかし、費用はそんなにかからないことが判明したのと、試合場を円にすることで、「位置取り」の理解が促進されると確信しました。
因に円心会館は、いち早く、カラテの試合場を円にしています。私は改めて、二宮師範に敬意を持つと同時に、今後も良き交流をしていきたいなと考えています。
さて、今回参加した少年部が、今回の特別稽古の眼目を体得し、カラテ武道・格闘技に、より上達していることを期待しています。
最後に繰り返します。今回の特別稽古に参加した会員の皆様、お疲れ様でした。また少年部の保護者の皆様、お疲れ様でした。
私は子供達に技を仕込むことよりも前に、その心の扱い方と心構えを教えたいと思います。それは一人ひとりの心田、私がいう処の『からだ』を耕す養分となるはずです。また技の種子を得て、花開かせることに繋がると思っています。
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試合に勝つために一番大事なことは何だと思う?
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