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Channel: 増田 章の「身体で考える」〜身体を拓き 心を高める
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−74kg級・橘真一 vs 竹井 慎戦

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第2回フリースタイルカラテチャンピオンシップ東京オープン
-74kg級・橘真一 vs 竹井 慎戦

二人ともシニアに出てもおかしくない年齢だが、一般のクラスに出てくれた。

橘選手は、柔道、テコンドー、グローブ空手をバックボーンとする選手。竹井選手は、総合格闘技をバックボーンとする選手である。

序盤は、竹井選手がフリースタ
イルカラテのルールに慣れていない感があった。しかし、それは当然であり、それを既存の空手の価値観で観てはいけない。審判は淡々とルールに則り、反則や技の判定をするだけで良い。決して偉そうにしてはいけない(声を荒げる必要はない・・・気持ちは分かるが、相手の気持ちも考えて欲しい)。また、相手の態度の本質は、相手を倒した後に現れる。倒した相手(コントロールした)に、威嚇という意味を含む、乱暴な態度が観られた時、その選手の試合目的が垣間みれる(私には)。

例えば、試合で勝つことのみを目的とする者は、コントロールした相手をぞんざいに扱う。それは、武道家として尤も戒めなければならないことだ。例えば、柔道では倒れた相手を必要以上に痛めつけないように気遣う。
「もし命を賭けた戦いを想定するなら、そんな甘い考えではいけない」というような異論が有るかもしれない。もちろん、フリースタイルカラテはそんな想定の競技ではないが、あえてそのような声にもこう応えたい。「相手のことを気遣えるぐらい長く、深く相手を見極められる力が、自分の命を真に護る能力の獲得に繋がる」と。また、「相手のことを気遣うという考えが、技を発達させる道、また自分のからだを活かす道だ」と。さらには、「それは真剣勝負に勝つ道に必ず繋がる」と(この部分はもっと丁寧に書きたいが、いずれ・・・)。


フリースタイルカラテは、相手の戦闘力を奪う技術と反則行為を明確に区別し、それを判定できるようにルールを創ってある。ゆえに審判は遠慮なく、反則を宣告すれば良いのだ。ただ、今はまだ草創期なので、審判もフリースタイルのルール、理念を体認できていないのであろう。フリースタイルカラテのみならず、試合ルールの核心は理念である(本来そうあるべき)。しかし、時代に合わなくなった理念は、より普遍的な価値観を核にして、修正の必要だと私は考えている。

ルール(理念を含む)が公正で明確であり、やってみて楽しければ、試合(スポーツ)は進展する。

進展の動きがもう少し出てくれば、選手は自然とルールに則り、試合を運ぶようになる。私は、橘選手が終盤に「テクニカルハイキックポイント」を獲得したことがうれしかった。
また、竹井選手も決勝では、フリースタイルカラテのルールに慣れ、良い動きができるようになった。竹井選手と試合後、話をした。竹井選手は普段は紳士で穏やかである。また今回、フリースタイルカラテを理解してくれた。今後、試合を繰り返せば、もっと動きは良くなるに違いない。

審判も含め、我々に必要なのは、理念の体認だと考えている。その中にルールの改善は必然である。あとはひたすら辛抱すること。

私は、ルールはほぼできたので、後は命が続く限り、辛抱することだと考えている。
また、辛抱だけではなく、どうしたら楽しめるか、絶えず考えている。

最後に、橘選手、竹井選手に感謝したい。また審判委員の池本先生にも感謝したい。
「皆さん、フリースタイルカラテ・プロジェクトに参加してくれてありがとうございます!」


蛇足ながら、誰よりも協力してくれている池本君へ、「今回は池本君への駄目だしの部分があるるけど、勘弁して」。

私の主旨は、古い空手試合試合のあり方や取り組み方を皆さんに考え直して欲しいということにつきる。そうすれば、フルコンタクトカラテのみならず,他の空手、格闘技には、もっと発展の可能性があると思う。

さら加えれば、「自分の行動は自分で判断する」「本当に自分自身で考える」というようなことに気付くような価値観や体験装置を創らなければ、斯界の真の発展はないだろう。








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