【交流試合・フリースタイル報告】
IBMA極真会館、2013前期交流試合が終了しました。
選手、サポートスタッフ、審判員の皆様、お疲れ様でした。
本交流試合では、昨年に続き、極真スタイルの試合に加え、フリースタイルの試合も行なわれました。
参加者は多くありませんでしたが、うれしいことが多くありました。
そのすべてを書くことはできませんが。
そのうれしいことの中に、黒帯のY君が1勝を挙げたことがあります。
Y君は、フリースタイルのために柔道まで習い始めた前向きな男です。
しかし彼は、仕事が忙しく、練習時間」が余り取れません。ゆえに、これまで、フリースタイルで1勝もしていませんでした。
今回、その彼が勝ちました。私は、とてもうれしく思っています。また、その勝利が彼に力を与え、今後増々、上達することを期待します。
また、選手について少し書きたいと思います。
今回、昨年の第1回フリースタイル空手オープンに出場したK君も出場しました。K君は、本来、身体能力が高く、打撃力もあります。
彼は、組技に対応する技術さえ身につければ、かなり有望だと思っていました。今回、フリースタイルの技術にかなり進歩が見られました。
今後の課題は、フリースタイルに有効な戦術の知識がまだまだ足りません。平たく言えば、技が少な過ぎます。このことは、他の選手にもいえます。
フリースタイルは、打撃技の戦術(戦法)と組み技の戦術(戦法)が掛け合わされることによる、多様な戦術が生まれること。また、組み技に関しては、道着を掴んで投げる技、レスリングや相撲のように組んで投げる技、ムエタイのように首を取って攻撃する技等、戦術が多様です。
勿論、多くの戦術、技を持っていれば、勝てるというように安直なものでもありませんが、
少なくとも、得意な打撃技3~4種、倒し技3~4種は、必要だと思います。また、相手は多様ですから、その多様な戦術や技に対応するために、それら戦術や技に対する理解も必要です。
私は、K君のセンスなら、1年くらい集中して、フリースタイルを練習すれば、かなりのレベルになると思います。
今後のFKPの予定の詳細は、別の機会に告知するつもりですが、2年後にフリースタイルの世界大会を予定しています。現在、急ピッチで普及の準備を進めています。これから、本腰を入れれば、間にあうと思います。
今回、優勝したのは、早稲田大学の留学生でフランス人のルーカス君です。
彼は、フランスで新極真の道場に1年程、通っていたそうです。
彼は、入門当初から、フリースタイルがとても好きだと言っていました。また、彼がフランスで通っていた道場のスタイルは、打撃技のみならず、掴みや投げもあり、フリースタイルと同じだと言っていました。しかし、私の道場で練習を初めて、半年程です。今回、これほど頑張るとは思っていませんでした。
やはり、若い人は、スピードやスタミナがあります(もちろん、個人差はありますが・・・)。今回、ルーカスの相手は、おじさんばかりでした(すみません、ジョークです。むしろ、40才をこえたおじさん達が20才半ばの選手とよく戦っていたと言うべきでしょう)。
また彼は、とても優秀です。
実は彼はフランスの会社から派遣されて留学しており、学業の合間は、マーケティングリサーチの仕事もしています。
その空いた時間に、さらに彼は、空手の練習をしているのです。
練習中の彼は、とても集中しています。
彼には、フランスに帰ってからも、フリースタイルを続けてもらいたいと思います。そのためにも、フリースタイルの教本と指導マニュアルを、早く完成させなければなりません。
もうひとつ、うれしいことがあります。イギリス人道場生のラリーとO君がフリースタイルの試合がとても楽しかったと語っていたことです。また、韓国人留学生の韓君が、とても頑張ったことです。
韓君は、留学生の中でも、特に日本語が上手で、真面目な学生です。私は彼を通じ、韓国の若者は素晴らしいと感じています。
また、O君は、小柄ですが、拓真道の組手型の首投げの型を教えたところ、それを見事に得意技にしたようです。彼は、その首投げを得意技に見事に勝ちあがりました。その姿は、歴戦の勇姿のような感じでした。彼は、打撃力がより強化されれば、更に強くなるはずです。私も、彼の今後が楽しみです。
もうひとり、イギリス人のラリーも頑張りました。彼は、試合には負けたましたが、御礼のメール(ファイスブックで)を私に送ってくれました。そのメールには、今回、戦略を間違えたと、書いてありました。その点を反省し、更に練習を重ねて、次回も参加したいと書いてありました。
ラリーが言うように、フリースタイルは戦略の必要性が高まります。言い換えれば、戦略が有効ならば、戦術や技の面で劣っていても勝つことが可能です。しかも、それが、誰の眼にも明らかになること。また、フリースタイル空手は、審判の好みや政治的な部分等を考慮に入れた戦略といった、不透明な要素をなるべく排除し、選手に競技に集中できるように考えられています。
言い換えれば、ルールを理解できれば、誰でも判定できるように考えてあるのです。
但し、断っておきますが、現場で瞬間的に、技術判定を行ない、試合を裁く、主審は大変です。
また、フリースタイル・ルールは、副審より主審の権限が重くなっています。ゆえに、主審には、ルールに対する深い知識と、審判経験が必要なのです。さらに、昨年のフリースタイル空手オープン後、若干のルール修整が行なわれた。主審が対応できるか心配でしたが、ほぼ難なく対応できました。
1回だけ、間違いがありました。それは、場外注意を効果として、宣告したことです。試合の結果には問題はありませんが、フリースタイル空手のコンセプトを選手や観客に伝えるという意味では、重要な点です。
具体的には、場外のポイントは、相手の攻撃により場外に押し出された場合は、押し出した選手に1ポイント(効果)を与えます。しかし、自らの過失(体捌きのミス)で場外に出た場合は、注意(イエローカード)を宣するというものです。このルールは、実は、昨年からルールブックには、記載されていましたが、審判の理解が曖昧だったので、より明確に記載の仕方を修整しました。
蛇足ながら、フリースタイル空手の目標設定は高いので、私の仕事は山積しています。本当はブログを書いている時間も貴重です。しかし、このブログも重要な仕事のひとつなのです。
願わくは、空手の経験が無い方にも、フリースタイル空手プロジェクト(FKP)に注目していただければと思っています。
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交流試合・フリースタイル報告
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