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Channel: 増田 章の「身体で考える」〜身体を拓き 心を高める
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ラリー・ベイカー(黄帯)×吉田健二(黒帯)/フリースタイル空手プロジェクト報告 5−6

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FKP報告5-6

昨日に続き、FKP(フリースタイル空手プロジェクト)の報告をしたいと思います。

4月に行なわれた、FKの練習試合では、参加者に上達が見られました。
試合時間を5分としましたが、それによって戦い方に落ち着きが見られ、打撃技と組技を上手く組み合わせて戦っていたように思います。

これまで述べてきたように、フリースタイル空手の目指すところは、戦術を磨き上げることのみならず、戦術並び多様な戦闘局面の運用です。

試合時間が短ければ、彼我が生み出す多様な戦闘局面に対応し、それを運用して、自己を最終的な勝利に導くと言うような戦略的戦いが困難になります。
なぜなら、試合時間が短いと言うことは、すなわち一つの戦術に特化した方が勝ちやすくなるのは、自明だからです。


さて、FKの練習試合の参加者にラリー・ベイカー氏と吉田健二氏という私の道場生がいました(FKPには、私の道場生が多いですが、他流派の方々も参加しています)。

ベイカー氏は、ムエタイを長く行なっていたそうです。私の道場に入門したのは1年半程前です。ベイカー氏が私の道場に入門したのは、道場生のひとりに友人がいたからだそうです(本当のところは知りません)。また、現在、黄帯です。

私は始め、彼が空手やフリースタイルを受け入れるのは難しいのではと思っていました。
なぜなら、私の道場は伝統技も大事にしますし、フリースタイルと言っても、型(組手型)によって技術を学ぶというスタイルです。ムエタイ、キックボクシングのジムで練習していた彼には、練習方法が合わないと思っていたのです。ところが、彼は熱心に道場に通ってきています。

その彼の姿に、私は驚いています。さらに、ムエタイ出身の彼が、誰よりもフリースタイル空手を楽しんでいるのです。

彼は、倒し技をもっと勉強したいと言います。
最近は、私の道場の指導員で柔道四段の者に、柔道の技を教えて欲しいとも言っているそうです。

ある日の稽古後、私は彼に、「フリースタイルのどこが面白い」と聞きました。ベイカー氏は、「テイクダウンが面白い」と答えました。

「そうだろ!」「テイクダウンはわかりやすいだろ!」と、我が意を得たり、というような感じで手を叩きました。

余談ですが、“フリースタイル空手はストラテジック・スポーツだ”という標語は、イギリス人の彼にフリースタイル空手のコンセプトを説明し、命名してもらいました(彼はインテリジェンスもあると思っています)。

一方の吉田健二氏は、若い頃(御免、今も若い?)、松濤館空手を行なっていたらしいです。実は、松濤館空手では、足払いなどの倒し技は当たり前だったようです。私も子供の頃、和道流空手を行なったことがあるので、そのことは知っていました。また、私が極真空手を始めた頃は、極真空手でも倒し技が当たり前でした(私の認識では)。


現在吉田氏は、黒帯の初段ですが、フリースタイル空手プロジェクトを非常に良く理解してくれています。また、楽しんでくれています。
さらに最近は、柔道まで習い始めたようです。おそらく、彼の心の中に、空手も武術であり、多様な技や戦術を学ぶことの必要性を理解しているのでしょう。

しかし、柔道を習うだけではなく、私からフリースタイル空手を学んだ方が、”フリースタイル”に強くなると思っています(私は柔道が大好きなのでうれしいことですが・・・)

それでは、ベイカー氏と吉田氏のFK練習試合を掲載しておきます。
是非、ご覧下さい。





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