ひどい風邪で3日間、動けなかった。ようやく身体が元通りになってきたので、考えていたことを書き記したい。
【柔道家、山口香女史を応援する~その1】
このところ、メデイアを通じ、柔道界の問題が目に入って来る。このところ、山口香、筑波大学准教授のコメントが多くなってきたように思う。
私は、山口女史のファンなので、少し応援したくなった。
応援の長い文章の前に、紹介したいコメントがある。私が昨年録画しておいたTV番組における、サッカー評論家のセルジオ越後氏のコメントである。私は、深く感銘を受けた。
番組司会者)監督でもやってやろうかなとかは、あったりするんですか?
セルジオ越後)僕は、組織って「美しいエンジン」と思ってる。
いろんな部品が必要と思ってて(組織には)、どの部品がかっこいいとは、僕は思わないです。
僕もエンジンの中の一つの部品と思っている。(例えば、サッカーを)普及したり、メデイアを通して、表現することが、僕のエンジンの(の内部での)役割(部品としての)であって、監督(を)やっている人も大事な部品で、何処かにかみ合っている。
現在、日本のエンジンは、小さなエンジンになっていて、ある部品があまり過ぎている。順番待ちになっている。
そうじゃなくて、いろんなところで活動することが、サッカーのための“美しいエンジン”になる(のためになる)という自覚を持つことではないかと思っている(おそらく、セルジオ越後氏の美しいという中には、大きくて強いというようなことも包括・含意していると思う)。
最後にテロップで、以下の文字が画面に浮かんだ。
『日本のサッカーは大きなエンジン
一人一人は小さな部品
まだ使われていない
小さな部品を活用することが
日本サッカーの発展につながる』
(セルジオ越後)
テレビ東京 FOOT× BRAIN 2012年12月29日放送。
私は、このセルジオ越後氏のコメントを空手界の発展にとても参考になると思って、録画しておいた。
しかし、これは空手界のみならず、柔道界やすべての組織に当てはまる考え方だと思っている。
言うまでもないが、セルジオ越後氏のいう組織とは、空手界や柔道界、陸上界等、斯界のことだ。
日本の数多くある斯界の構造、すなわち組織の構造の特徴は、ほとんどが三角形のピラミッドである。そして、上部の執行部は一部の人で牛耳られていて、多くの場合、変更が無い。小さな組織、でき上がったばかりの組織では、そのような構造も仕方ない面はある。
しかし、長い年月、その組織を維持するだけではなく、発展させていくという使命があるならば、考えて欲しい。そのような組織構造では限界があるのは、歴史が証明していることを。
例外もあると言われるかもしれないが、本当に長い年月、100年ぐらいかけてみた時は、言わずもがなである。
フルコンタクト空手(極真空手)を創設した、大山倍達が興した、極真会館は、創設50年というが、既に分裂しており、100年にもまだ遠い。他方、柔道を創設した、嘉納治五郎が興した講道館は、創設から131年。我が空手と柔道を対等に並べているのではないのであしからず。
私が言いたいのは、セルジオ越後氏のいうサッカーとは、空手や柔道に例えられるということ。さらに、美しいエンジンとは、空手界や柔道界のことのみならず、空手連盟や柔道連盟といった組織と考えて良いのではないかということだ。
残念ながら空手は、サッカーや柔道のような統一された組織を有していない。ゆえに、空手界は、この話の俎上にも載らないと言われる方もいるかもしれない。ただ、どのような規模でも、斯界を発展させるためには、美しい組織が必要だと私は思う。そのような意味に捉えて欲しい。
私は今、我が空手界も、統一された(調和した)“美しい組織”を作らなければ、オリンピック競技化はもちろんのこと、斯界の発展も困難になるのではと、危惧している。
おそらく、セルジオ越後氏は、「美しい組織とは、より多くの人を活かす組織である」と、結びたかったのだと、私は思っているが、その言葉を深く銘記したい。
(その2に続く)
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柔道家、山口香女史を応援する〜その1
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