Quantcast
Channel: 増田 章の「身体で考える」〜身体を拓き 心を高める
Viewing all articles
Browse latest Browse all 480

デジタル空手武道通信 第34号 編集後記より

$
0
0

 

 空手武道教本の製作に20時間以上もかけた。腰と脚が痛くなってきている。長時間のデスクワークは腰と脚に悪い。ヘルニアは2箇所、膝は変形性膝関節症で、空手の稽古が辛い。幸い、ヘルニアも良くなり、腰痛との付き合い方がわかってきた。だが、膝は手強い。車の運転を含め座っていること自体が良くない。このことは、膝が悪化する前に両足の静脈がダメになったときから続いている。私は1時間以上座ったままでいると、脚がむくみ、血行障害で夜も寝られない。実は、こんな状態が10年近く続いている。ゆえに、現役時以上に体のケアにお金と時間をかけている。

 なぜなら理想の武道への夢を諦めきれないからだ。また、アイディアが湧くのだ。勉強意欲もある。もっと本を読みたい。もっと稽古したい。もっと書き記したい。もっと意見交換をしたい。もっと思索を行いたい。誰よりも深く、そして高い境地の武道を切り拓きたい。家内は、「もっとお金になることをしなさいよ」と手厳しい。だが、苦労をかけて申し訳ないが、いつも理想の武道の事ばかりを考えている。  

 おそらく、私ほど空手武道のことを純粋に考えている者はそういないはずである。確信がある。なぜなら、一日24時間の70パーセント近くを空手武道の創作のために使っている。そんな人間がいるわけがない。まず、できるわけがない。私にそれができるのは、私の内側から、水のような思いが溢れ出ているからである。その水が行き場を求めているのだ。私が勉強をし、途方もない思索を行うのは、全てその水のようなものの行き場と道を作るためである。今、私の中から湧出する水のような思いは、行き場が見つからず、また大きな川のように流れを作るまでには至っていない。  

 思うに、その水のような思いは、大きな流れにならなければ、力を生み出さないし、人の役に立たないかもしれない。それでも、それが水のように誰かの乾いた喉を潤すぐらいできるなら良い。  

 だが問題は、それが誰かの乾いた喉を潤すようにもなっていないことだ。私の想いはいつも垂れ流しだ。だが、それでも構わない。私は自分の内側から湧き出る思いを止めることだけはしたくない。私の内側から湧き出ている、水のようなもの(思い)は、私が私から自由になるための何かでもあるからだ。  

 おそらく、お前のやっていることは、人のためになっていない、という者がいるに違いない。だが、私は私の内側から湧き上がる水のようなものが、必ず人の役に立つと信じている。家内には、私を信じて欲しいと願っている。否、許して欲しいと思っている。

 今、ものすごい勢いで、水のようなものが内側から溢れ出て、それが行き場を探しているのだ。今、その行き場を作っている。もし、私がその行き場を作れなかったら御免…。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 480

Trending Articles