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Channel: 増田 章の「身体で考える」〜身体を拓き 心を高める
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新しい競技ルールについて①

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今年最後の交流試合が終了しました。

年末の多忙な時期、関係者の皆さん,ご協力ありがとうございました。また、選手の皆さんお疲れ様でした。

クリスマス前にも関わらず、遠くは、新潟、福島からも参加者がありました。
保護者の方々の熱心な応援、ボランティアスタッフの方々の献身的な運営サポート、ありがとうございいました。

私は、選手の試合のみならず、そんな仲間の姿を見ながら、空手愛好者の熱意と努力にどのように応えていくかを考えていました。

具体的には、ルールの修整や大会運営のあり方、また、今後の展開等です。
私の頭はいつもフル回転です(悪い頭ですから、良く回りませんが・・・)。

本日から数回に分けて、私が構想し、仲間と共に創っている新しい空手武道競技について考えてみます(反省と検証の意味で)。業務が山積しているので、空いた時間に少しづつ書くことになるでしょう。乱文をご容赦下さい(本当は、一気に書き上げたいのでが・・・)。

私は数年前から、IBMA空手武道競技ルールとして、従来のフルコンタクト空手ルールに、得点制を導入しています。それを、「キョクシンスタイル」といいます。
キョクシンスタイルというのは、従来の極真方式の試合方式に少し改良を加えたものです。

IBMAのキョクシンスタイルと既存の極真方式の違いは、「技有り」「一本」といった技判定、「注意」等の反則行為の扱いを、点数化して観客に知らせるということです。
例えば、1本は12点(今回、10点から12点へ修整)。技有りは6点(今回、5点から6点に修整)。注意は、相手に1点を加点する。また、注意は4回で失格です。

さらに、技有りの他に、テクニカカルハイキックポイント(効果)等の「効果」の技判定を加えました。テクニカルハイキックポイントとは、上段への蹴りが的確に当れば、技有りまでの効力はなくとも「効果」として判断することです。その他の「効果」の例として、「攻撃支配による効果」と言うものがあります。それは、相手の攻撃を正確な防御ができず、一方的に受け続けた時には、攻めている相手が、一時的に試合を完全に支配しているとして、判断することです。また、相手を反則行為以外で場外に出した時や自分で場外に出たときは、「場外による効果」として判断します。さらに、キョクシンスタイルで掴みは反則行為ですが、掴まないで相手を転倒させた場合は「効果」を与えます(軸足払いや前蹴りによって相手を転倒させて残心と取った場合)。

以上のような、技判定と反則行為の追加と数値化によって、試合の内容が、観客と選手に対し、リアルタイムで可視化されるのです(見える化)。

勿論、試合の勝敗をすべて点数で決めるのではなく、本戦では5点差、延長戦では3点差がなければ、旗判定を行い、勝敗を決めます(フリースタイルでは、最終延長において同点の場合のみ)。
つまり、IBMAキョクシンスタイルにおける点数は、絶対的な基準ではなく、完全に数値化できない勝負判定を補うためのものなのです。言い換えれば、点数化は、試合の状況を客観視するための仕掛けなのです。


その客観視するための仕掛けの設置(導入)の意義は、観客と選手の勝負に対する納得感を向上させると言うことです。

もう少し具体的に述べたいと思います。
これまでの試合では、技有りと一本のみの技判定では、打撃力のない子供や初心者の試合のみならず、一般の試合でも、旗判定が多くなります。
旗判定では、試合の結果を「根性がなかった」「気持ちで負けた」など、抽象的かつ主観的なイメージで試合結果を理解するようになります。
私は、先述の根性や気持ちと言うような要素は、勝つためには重要だと思います。
しかし、私は武道スポーツ競技において、一番重要なことは、そんなことではないと考えています。
先ず、どこが良かったか、どこが悪かったかを選手自らが、客観的に理解し、その改善に努力するという構造です。
また、「根性がある」とか「気持ちがある」と言うのは、自らの客観的理解(自分で考えること)を基礎にして、自分の可能性を信じ、その改善に向けて頑張る気持ちをさすものだと考えています。
私は、そのような行動と人格的な習性(心構え)を養成する手段が「武道」であると言っても過言ではないと考えています(特に青少年に対しては)。

私は、先述のような、武道競技のあるべき姿をイメージしてルールの改善を考えてきました。多くの空手関係者は、頭部打撃を限定されたフルコンタクト空手競技では、旗判定を宿命のように考え、その改善を審判の「旗判定」の能力向上においているように思います。あえて、断定的にいえば、そのような努力をしても、フルコンタクトにおける観客と選手の納得という問題は解決できないと考えます。(次回に続きを書きます)


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