Quantcast
Channel: 増田 章の「身体で考える」〜身体を拓き 心を高める
Viewing all articles
Browse latest Browse all 480

応じについて 草稿

$
0
0

よりレベルの高い黒帯を育成したい。また武道人を育成したい。しかし…。
私は1秒でも早く、その目標実現のための実践プログラム(稽古カリキュラム)と一体化した理論を構築しなければならないと考えている。

しかし理想を追求するのは辛い。なぜなら道場性を満足させるには、私の理想は時に邪魔のような気がするのだ。では道場生を満足させるという理想をもてば良いではないかと言われると思うが、その通りだ。私はそのようにするつもりだ。しかし、そのためにはどうしてもより高度な抽象化とシステム作りが必要なのだ。

私は非力だが、もう少し頑張ってみたい。私の考えていることを整理するのにめどがついた。大体、500時間だ(サイト1ページにつき1、5~2時間を目安として)。それをアイディアで半分の時間で済ませたい(無理かな…焦らないほうが良いかも)。

以下は加筆修正した草稿である。まだまだ他の理論を書き足していくつもりだ。現段階では、今の道場性には難しいと思う。しかし、まずは自分の頭の中の整理をしたいのだ。その上で、易しく表現したページも制作しようと思っている(でも本来、高度な感覚を理論化、抽象化しているのだから、一般人には難しいのは当然なのだが…つまり高度な感覚がわかれば一般人ではない)。

私がこのようなブログをアップしているのは、黒帯の有志に協力と理解を仰ぎたいからだ。また空手に対するとてつもなく高い理想を持っているのが増田章だ。その気概を捨てるのなら、もう消えようと思っている(もちろん責任を果たしてから)。


【応じについて】

応じとは「相手の攻撃技の効力を弱体化し、間髪を入れずに最大の効力を発揮する反撃を行うこと(優位性の創出と把持)」です。

ただし、応じとは「後の先」とも言い換えられます。要するに、応じとは単なる防御ではなく攻撃なのです。また高いレベルの応じには、相手の攻撃を未然に察知する力も必要です。さらに応じには位置取り、機会、高度な防御技と攻撃技との連携など状勢の支配力(転じ)が必要です。

初伝のレベル(初段から二段)では、相手の攻撃を受けてから反撃する、受け返し(デイフェンス&カウンター)かできないかもしれません。しかし中伝のレベル(三段から四段)では、相手の攻撃を防御しながら相手を崩す。同時に崩れたところを攻撃する、「応じ」を目指してください。応じはよりレベルの高いデイフェンス&カウンターです。

さらに奥伝のレベルでは、相手の攻撃を防ぎながら攻撃する、交差法(クロスカウンター)の応じを学びます。しかしながら、「相手の動きに未然に感応し、その動きを制していく」また「相手の動きと一体化し、争うことのない状態を保つこと」が奥伝の応じの目指すところです。

簡単に言ってしまえば、「応じ(Ouji)」の本質は、相手の動きにより善く対応することです。我々は、相手と対峙する際、応じの意識を持つことで、相手をしっかりと観る習慣のみならず、自己と向き合う習慣が身につくと考えます。さらに相手の力や技を利用することで、技術を無限に応用、発展させていきます。

我々は応じを体得するために組手稽古を重視します。しかしながら、組手稽古は単なる勝負を競う手段ではありません。あくまでも相手の動きに対応する心身のセンサーとそれにより良く対応する心身のプログラムを構築するための手段です。ゆえに組手競技の勝敗に拘泥することなく、組手-型の稽古を通じ、正しい理合の体得を目指します。つまり稽古で重要なのは、合理的かつ普遍的な心身の働き・動きを体得することです。

※組手-型(約束組手)とは、2人1組で予め相手とかける技を決めておき、実際に攻撃、防御、反撃を行う稽古方法です。組手型の稽古は、危険な武道空手の技を安全に稽古することができます。同時に繰り返し稽古することで、体力がない人や不器用な人でも、難しい技を体得する可能性がひらかれていきます。また相手と技を出し合う組手稽古において、防御法を知らなければ、恐怖心が先立ち、必ず力が入り、自分も相手にも怪我を負わせる可能性が高まります。

BMS(IBMA-BudoManSchool)では、武道空手の稽古の際、怪我防止という面のみならず、技の上達のためにも、「応じ(Ouji)」の理合を重視します。

また、自由組手(自由に技を出し合う実践的な稽古)の稽古の際には、勝ち負けという意識を持たないようにしてください。あくまでも組手稽古の基本的な心構えとして、「相手の技がよく見えるか」「応じ(Ouji)の力が身についたかどうか」という意識を重要にしてください。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 480

Trending Articles