日本人のDNAに効く/永田式/行き着く先のダイエット
著者:永田孝行
【からだが喜ぶルールを考える】
インシュリンダイエットで一大ブームを巻き起こした、永田先生の新刊が届いた。
永田氏とは数十年の付き合いになる。
永田氏は時々、忙しい中、声をかけてくれる。かなり前に、空手をウェルネスと結びつけられないかという提案をいただいたこともある。その提案は、なかなか実現しなかったが…。それから、数十年の歳月が流れた。永田氏は、お会いするといつも私に、体に関する良いことを教えてくれる。その情報は、いつも役だっている。その永田氏から最新の著作を送っていただいた。拝読したので、その報告をしたい。
その前に、最近、加齢(老化)と使いすぎによる、様々な障害が、私の体にではじめていることをお伝えしたい。手術をした左膝も完治していない。勿論、症状は改善され、少しずつではあるが、回復に向かっているとは思う。しかし、今も毎日のリハビリとケアは欠かせない。もう10ヶ月以上もケアを続けている。なるべく使わない方が良いのかもしれないが、私は使いながらの治療を行っている。おそらく、生涯ケアしなければならないと思う。大変にストレスがかかるが、身体についてケアをしたり、考えたりすることは、私の仕事上、必要なことだと考えている。この機会に、これまでの身体の傷病について考え、身体の最善活用について考えていきたい。
そのような中、自分の周りの人たちに、体を大切にして欲しいと、強く思っている。また、空手を心身の機能を高める手段、さらに、道場をそのようなことを伝える場にしたいと考えている。ゆえに、ここ数ヶ月、運動学やリハビリに関連する本をよく読んでいる。
【新刊の内容】
さて、永田氏の新刊の内容は、ダイエットに関するものである。これまで、ダイエットには縁がなかった私だが、身体の内的機能(内臓の機能?正しい言い方を知らない)に関して、示唆に富む著作であった(専門的なことも書かれてはいるが、けっして難しい本ではない)。
また、今回の本は、ダイエットに対する心構えに関する示唆を得られるものだと思う。言い換えれば、「こうしたら痩せる」という内容のみならず、「どのように取り組んだらよいか(ダイエットに)」ということが書かれていたように思う。そのような心構えの原則を確立することで、その効果(体重の調整)が長期的に持続するということだと思う。
ネタバレになるが、その核心だと思うことは、「からだが喜ぶルールを考える」ということである。それは、私の空手観と共通項がある。
私は、何事においても、心身の機能を深く見つめ、その機能をよりよく活用することが、重要だと考えている。それは、「体を働かせる」「心(無意識を含む意識の総体)を働かせる」「内臓を働かせる」と言い換えてもよいだろう。「働かせる」というのは、単なる使うということではない。内臓を含む、自分の心身を、能動的かつ合理的、効率的に使うことだと思っている。そのような面を永田氏は、「からだが喜ぶ…」と表現しているのだと思う。何事も無理は良くない…。
もちろん、短期の目的や目標を達成するためには、矛盾と感じるような原則・ルールに直面し、それを乗り越えなければならないだろう。しかし、長期的な目的や目標を考えれば、身体側の対応(無意識の反応)は、納得できる働きであると思う。具体的には、「痩せる」ということを、短期目標と捉えれば、我慢を強いることもあるということだ。例えば、「インシュリン値の高いものは控える」「炭水化物(ご飯などの)を摂取した後に、糖質を多く含むデザートは控える」など。
【炭水化物の摂取は必要】
ここで断っておきたい。永田氏は、炭水化物の摂取は必要だと言っている。
組み合わせや摂取のタイミングさえ考えれば(平たく言えばTPO)、炭水化物の摂取は必要かつ重要なのだ。つまり、永田氏の言うところのルールとは、絶対不変のルールではないと思う。あくまで、より良い生活(栄養摂取と活動)のルール(原則)が確立されれば、後は臨機応変である。例えば、「たまには、デザートを楽しむことも良し」と、永田氏は言うにちがいない(今度、確認してみる)。
【私が考える武術も】
最後に、私が考える武術も、つまるところは、心身を使うためのより良いルール・原則を確立することだと考えている。そのルールとは、個体と環境との関係性によって、自己の心身を柔軟に対応させるためのものだ。
私は今、そのような対応を実現するためには、心身の機能をもっと深く知らなければならないと考えている(細胞レベルまで…)。
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からだが喜ぶルールを考える
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