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Channel: 増田 章の「身体で考える」〜身体を拓き 心を高める
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ワールドカップサッカーに思う〜孫子から学ぶ・・・

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『ワールドカップサッカーに思う~孫子から学ぶ・・・』

土曜日、親しくしている友人との会合が2件、入っていた。
昼間、4時間超、夜は3時間超とハードであったが、中身の濃い重要な会合だったので満足している。本当は、もっとゆっくりと話をしていたかった。

でも、気難しい増田章との付き合いは、そのぐらいが限度かもしれない。私はテンションが高く、相手は疲れると思う(笑い)。

友人との話の中で、サッカーの話になった。
私は日本人論と日本のサッカーについて論じた。
「日本代表は頑張った、しかし・・・」
「問題の本質はフイジカルではない」「サッカーの本質を理解していない処にある」「つまり思考法の問題だ」と私は断じた。

さらに以下のように熱弁をふるった。

「サッカーはまぎれもなく格闘技(格闘ゲーム)だ」
「格闘技(格闘ゲーム)の本質とは、自分を殺しにきた相手をKOするか、ギブアップさせることだと思う」
「つまり、如何に相手の戦闘力を奪うかが、格闘技(格闘ゲーム)の本質的目的でしょ!」
「日本人は、そこを理解していない」
「更に云えば、チームワークも理解していないのでは・・・」

さらに「私はオールジャパンを応援するものとして・・・」と前置きし、こう熱弁を振るった。

「日本人、また日本のサッカーには、今まだ可能性がある(今後はわからない)」
「そのためには監督は日本人にして、将来のための布石を打て」と。

そのように述べたのには理由がある。すべてに通じることだが、自分自身(日本人一人ひとり
)が内発的に自己変革をなすのでなければ、本物にはならないと思うからだ。

そういう意味では、外国でプレーする日本人が増えて来ていることは良いことかもしれない・・・。しかしながら、私が理想とする日本人は、決して外国かぶれではないと、あえて言いたい。

実は、同様のことを、私は言い続けてきた。「サッカーと格闘技は共通の本質を持つ」と(もちろん、全く同じではないが・・・)。

噛み砕けば、如何に自分を殺しにくる(ゴールを奪いに来る)相手から自己の戦闘力を奪われずに、相手の戦闘力を奪うかが格闘技なのだ。

さらに、そのような視点で見れば、サッカーが面白くないという武人が存在することには、ため息がでる(もしかすると日本人は戦いが苦手???)。おそらく、日本人は個人戦が得意なのだろう・・・(世間の常識とは反対だが)。

そこで、友人が返す。「戦いは守りが大事だ」「今回の敗因は前回のようにデイフェンダー?が機能(活躍)しなかったところにある」と。

その友人と私の勝負論は共通している。友人の考え方はこうだ。要するに勝負の基本は、「いかに負けない態勢をつくり、それを維持するか」にかかっていると。

私もそのように考える。その上で、いかなる態勢(状況)にも対応し、獲物を捕るという目的を確実に遂行していく。それが戦いなのだ。

要するに、「命を賭けた戦いとは、先ず、絶対に負けない態勢をつくり、その上でリスクを掛けて予測不能とも思える状況に、果敢に挑戦していくもの」でなければならない。補足を加えれば、「挑戦とは、創造性に富んだもの、否、新しいものの創造そのもののこと」である。これが増田の戦略論の眼目である(しかしながら、自身の境涯を見つめれば、気付くために、時間がかかり過ぎたこととダメージを負い過ぎている・・・私は駄目な男である)。

参考~戦いは正をもって合し、奇をもって勝つ(孫子)

話は脱線するが、武道という概念は、日本発祥の概念である。さらに武道とは、武術、格闘技という共通項で繋がっていると見るのが一般的であろう。しかし、剣道を始め、我が空手道も格闘技という面で見ると、致命的な弱点が見える。この辺りはいずれまとめたいが、これまでの私の論を読むことで理解できるだろう。

そもそも日本武道は、共同体(社会)の中でいかに自己を際立たせるかという技芸の一種に変遷したと見る。ゆえに多様化し、それぞれが体系化されたのだろう。だからこそ、社会的な価値があるとも言える。

しかし、私は真に実戦的な格闘技スポーツ及び実戦には、ゲーム性が内在すると考えている。また、そのゲーム性の中に、予測不能な戦いを生き抜く力を湧出させる「キー(カギ)」が隠されていると考えている。

私は日本武道に包摂された倫理性という武道の良点に回帰しながらも、格闘技の本質を取り戻したいと考えた。なぜなら、現在の武道は、武道という皮相的なパッケージや技術という価値を護持することに汲々とし過ぎていると感じたからだ。また、武道により個の力を真に強くするためには、格闘技に内在する、ゲーム性の認識が必要だと考えたからだ。

但し、私はその部分を空手や武道に求めるのをあきらめかけている。なぜなら、私が述べていることを武道愛好者は理解できないからだ。


補足を加えれば、スペクタクル性を重んじるプロフェッショナルスポーツの場合は、若干の考え方の相違があると思う。

例えば、負けないことを重視し過ぎれば、プレーヤーや競技の有するエンターテインメント的価値(ドラマ性)を奪うかもしれない。そのことは、プロフェッショナルスポーツの目的(ゴール)と齟齬をきたす可能性が高い。

その他、プロフェッショナルスポーツと実戦(負けを許されない戦い)には、相違点があるだろう。しかし今回は、これ以上は考えない。

話を戻したい。
ワールドカップサッカーのような、命を賭すような戦い(戦争も含む)、言い換えれば、絶対に負けてはならない戦いの場合、先述のような戦略が必要である。日本人に欠けているのは、戦略性である。私はそのように考えている。

とはいえ、日本と日本人は、世界の中で充分、胸を張れる存在だ。それは、先人のお陰、仲間のお陰だと、私は考えている。だからこそ、今を生きる我々の責務として、絶えず将来に向けた戦略的生き方という観点が必要だと思うのだ。さらに言えば、究極の戦略は、「戦わずして勝つ(孫子)」であろう・・・(理想論だが)。

また、臆見と言われるのを覚悟で記してみる。
私はかねがね、「日本人が考えているチームプレーと、諸外国で言われているそれとは意味が異なる」と考えている。

私は、外国でいうところのチームワークとは、「性格や考え方の異なる個人が、多少の相違があっても目的を合意し、その遂行のため、協力して獲物を捕る、あるいは外敵から自己を守る」ということ。一方、日本人がいうチームワークとは、「性格や考え方の異なる個人が、考え方を同じくして、協調して獲物を捕ろう、あるいは外敵から自己を護ろう」だと考える。

私が重要だと思うポイントは、どちらの思考連係モデルが目的遂行能力が高いかである。状況によってもことなるかもしれないが、基本的には目的遂行のためには考え方に相違があっても良いと考えている。つまり、チームプレーとは本来、考え方の異なる人間が纏まることだと、私は考えている。

同様の相違は、日本における民主主義と外国における民主主義の違いにも同様の傾向を私は見る。


これ以上はブログでは書かない。また、この件については再考しなければならないと考えている。

最後に、本日は私の主宰する空手道場の昇級審査会だった。熱心な道場生と保護者を目の当たりにして、責任感を持たずにはいられない。

なんとかして武道を高めたい・・・。また、武道を通じて、道場生や社会の役に立ちたい・・・。そのための手がかりは、「我が武道の目的を明確にすること」同時に「理念を高め続けること」だと、今考えている。

ここ数年、私はオリンピックゲームを真剣に視野に入れた、新しい武道スポーツの創出プロジェクトに奔走している。そのプロジェクトのゴールは、武道修練により、『「道場生」一人ひとりを輝かせたい』という思いの延長線上にある。

しかし、私のパスが受けられないと言うなら(空手界の仲間達が)、私はピッチをさろう。また、私の歩み方が速いと言われるのなら、一度、歩くのを止めようとも思っている。そして、一度立ち止まり、腰を屈め、皆に語りかけたいと考えている。
「武道とは何か・・・」「空手とは何か」「人間とは・・・」と。その後、再び、旅立とうと考えている。

2014年6月29日深夜

【蛇足】

ブラジルチームの監督は「孫子」を愛読しているらしい。
「ブラジル代表選手にも読むように勧めている」と友人から聞いた。
私は「それは素晴らしい」と応えた。
私達の共通の愛読書も「孫子」だからだ。

調子に乗り、私はサッカーの門外漢だが、ノンアルコールビールの勢いを借り、一サッカーファンとして大胆予測をした(私は、お酒を飲めません。時々無理して飲みます・・・笑い)。

決勝はブラジルとオランダである。
優勝はオランダだろう。ただ、私の好きなチームはアルゼンチンとドイツだ。

勿論、遊びと捉えて欲しい。
本来、勝利の予測等できないというのが私の理論である。

【追伸】
土曜日に話をした友人からメールが届いた。「個人的にはブラジルの優勝を望んでいると」
ワールドカップの主催国、ブラジルは現在、幾多の問題を抱えている。しかし、ブラジルが優勝すれば、すごい感動が沸き上ると想像する(ワールドカップ反対者は別として)。
ゆえに私もブラジルを応援することにしよう!!
残念ながら、ゆっくりサッカー観戦をする時間はないが、ニュースや録画等でサッカー観戦を楽しみたい。
6月30日夜






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