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Channel: 増田 章の「身体で考える」〜身体を拓き 心を高める
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素直に?

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【素直に?】
今回のフランスセミナーには、秋吉栄史郎という門弟を同行している。
彼は、空手の技術が優れているのみならず、拓真道の組手型の“受け”が上手い。拓真道では、剣道や柔道、合気道のように相対で組手型を行なう。

その際、重要なことは、正確に技を出せることや呼吸を合わせることの前に、
我を無くすことが重要である。また、打撃技のみならず、倒し技がある拓真道の型の修練には、受け身ができることが必要だ。

その理由は、技術の修練のためには、反復練習が必要だからだ。
また、取り(後の先を取るもの:メイン)の修練のみならず、受け(攻撃側:サブ)側が、対手の技を受け、その技(組手型)の理法を、裏側の面から見る(感じる)ことが、技術の理解には、必要だからである。

秋吉は、組技の経験はないが、受けが上手である。それは、彼が誠実で、我を絶えず抑制する性質を持っているからだ。勿論、運動神経も良いのだろう・・・。

私は、相手の技を受け、そこから、学ぼうと思うなら、我をなるべく抑えなければならないと考えている。かといって、技が理に適っていないのに、倒されてあげるのは、私のいうところの、我を抑えるということではない。

それを言い換えれば、”なるべく素直に“ということになるだろうか・・・。

しかし、その“素直に”ということが、我々には、とても難しい。

また、多くの人が、“人間は素直が一番”とか言うが、本当に素直ということを理解しているのであろうか。

私は、“素直”という意味をそれ以上にもそれ以下にも考えてはいない。自然体という言葉も同様だ。

それらの言葉は、絶えず自分自身の真の状態・状況を見つめ直すための、キーワードだというのが私の考えだ。

「お前は今、本当にものを感じているか」「お前は今、本当に、ものをみているか」というように。

我々は、そのようにして、絶えず自分に問いかけ、自己を見つめ直すことが必要なのではないかと思っている。


$増田章の『身体で考える』-5-24フランスセミナー1
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