フリースタイル空手プロジェクト報告
【戦略的観点の養成】
今回は、4月に行なわれたFKの練習試合の映像の紹介をしたいと思います。
フリースタイル空手は、昨年の第1回フリースタイル空手チャンピオンシップ東京オープンの検証(反省)により、試合時間を5分間に変更しました。延長戦は2分です。
なぜなら、フリースタイル空手の目標、特異性(独自性)の第1に、「戦略的観点の養成」ということを挙げたいからです(詳しくは別の機会に)。また、当初は選手のスタミナが心配でしたが、問題ありませんでした。フリースタイル空手は、打撃技と組技の両方の戦術が使えることや、組技が3秒間というルールにより、スタミナ配分が容易になるのでしょう。スタミナ配分、すなわち戦術の配分でもあります。それが、すでに戦略的観点が生まれている証拠です。
さらに、フリースタイル空手は、打撃技と組技を組み合わせによる、多様な戦術を生み出す可能性が拡がります。
私は、多様な戦術が生まれる可能性が高いという条件(フリースタイルという条件)は、戦略的観点を生み出すための条件だと私は考えます。
言い換えれば、それがフリースタイルという思想なのです。
人間社会のみならず、自然界も含め、強力な戦術(戦い方や能力)が生きるために必要なことはいうまでもありません。
しかし俯瞰してみた場合、そこには戦略のようなものが存在するように、私には思えます。
【ローカルな文化を架橋するような道具のようなもの】
私は、他の空手家同様、空手武道を通じ、社会に貢献したいと考えています。
そのためには、空手武道を長きにわたり、楽しめるようにしたいと考えています。また、世界中のより多くの人達が、真に納得して楽しめるようなスポーツにしたいと考えています。
言い換えれば、文化の醸成を通じた社会貢献です。断っておきますが、ここで言う文化とは、伝統的な文化ではありません。私の考えは、あらゆる伝統文化をなるべく大切にしながらも、それらに内在すると考えられる普遍性を指針に、それを融合していくことです。言い換えれば、フリースタイル空手は、ローカルな文化間を架橋するような道具のようなものです。
正直言えば、私の考えに賛同する人は、まだ多くありません。戦略が間違っていると言う声が聞こえるような気がするときもあります。しかし、私には事情があるのです。たとえ少数でも、協力してくれる仲間がいることに感謝し、その仲間を私の人生における宝物だと思って戦います。
さて、今回は、先月行なわれた、フリースタイル空手の練習試合の中から、宮村氏と土屋氏の試合をアップしました。すべての試合をアップしたいのですが、他の仕事との兼ね合いで、できないことを許していただきたいと思います。
宮村氏は私の道場生です。入門した頃は、まだ技が未熟でした。しかしながら、編集者というハードな仕事ながら、コツコツと練習を重ね、上達しました。今では、最新のフリースタイル空手の技を誰よりも知っているくらいです。あえて、課題を言えば、空手が基盤の割には、打撃技が上手くないことです(御免ね)。今後は打撃技の威力を向上させれば、更に有力なコンバット・アスリート(フリースタイル空手選手のこと)になるでしょう。
一方の土屋氏は、航空自衛隊の格技の教官です。土屋氏は、非常に誠実な人柄です。私は自衛官でもある彼を、個人的心情から尊敬しています。我が国においては、自衛官の意義が正しく認識されていませんが、自衛官は本来、武人です。私は、国を守る武人と一緒に、プロジェクトが進められることを大変うれしく思っています。
また、審判の荻野先生や大森審議員の存在も、いつも心強く思っています。荻野先生には、時々、辛くあたりますが、勘弁して下さい。心を許しているからこそ、正直に甘えられるのです。
更に、名前を挙げて、感謝したい人間は、他にも多くいます。この戦い(私にとっては)、プロジェクトが一段落ついた時には、すべての人に感謝の思いを伝えたいと思います。
私は、プロジェクトがどのような形になろうとも、後、数年でけじめを付けると決心しています(その思いが時々空回りしていますが、それを愚かだと、笑いたければ笑えという気持ちです)。
その時まで、私のマイペースをお許し下さい。マイペースと言っても、私は、歩くことはしません。いつも小走り、ときに全力疾走です。
それでは、興味があれば、宮村氏と土屋氏の練習試合をご覧下さい。
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フリースタイル空手プロジェクト報告〜5−5
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