第3回 HITTING SPORTS PROJECT 交流会の報告
2024年3月20日、東京都町田市において、武心塾、アキラ武道スクール、IBMA極真会館増田道場の会員による、第3回 HITTING SPORTS PROJECT 交流会が行われました。約3時間、試合は21試合のみでしたが、少年たちの動きに目を見張るものがありました。このHITTING SPORTSの意義は、格闘技を通じたゴールデンエイジの能力開発です。この時期は、ダメージを競い、心身に悪しき癖をつけてはならない時期だと思います。また、ただ試合に勝つことではなく、脳の柔軟な時期にスキルのイメージ(技術の獲得とその活用のイメージ)と戦略的思考法(戦術を構築し、その戦術を運用する思考法)を意識させることは、少年たちの将来の飛躍に役立つと思います。
また、ゴールデンエイジのみならず、HITTING SPORTSは、体力が衰える中高年や老年の体力維持のみならず、機能維持に格闘技を役立たせることを目標としています。さらに言えば、若い頃の悪しき癖を改善するチャンスとなります。この意味は、HITTING SPORTSを体験してみればわかります。しかし、若い頃に身についた悪しき癖はなかなか治らないと思います。かくいう私もそうかもしれません。だからこそ、体力のみに頼るのではなく、繊細な技術の感覚や経験により蓄積されたデータの活用といった、全てのスポーツ競技、そしてトップアスリートにも必要な要素が明確に認識しています。実は、繊細な技術の獲得や活用、そしてデータの活用による戦術の創造といった理想、皆が本当に仲間、家族のようになるといった理想は、私が10代の頃から渇望していたことです。しかしながら、既存の空手競技には、それらの領域を開発する意識は希薄です。故に、新しい武道、そしてスポーツを創出しようとしているのです。
我田引水ですが、HITTING SPORTSの最も良いと考えているのは、トップアスリートのレベルを誰もが認識できるようになることです。そして、本人の努力次第では、体得さえも可能となることです。まだ、この意味を理解している人はわずかです。しかし、「極真空手をこれ以上はできないというところまで極めた私が、まだまだ開発できる領域はある、そして、年老いた老人となっても、その領域を開発できる」と確信しています。
このHITTING SPORTSの理念や理論は、もう少し研究を進めてから発表します。これまで、4年間ほどの試験的実施において、理論構築に必要なデータが取れてきましたが、まだ不十分です。ただ、理論を理解できない人や理解しようとしない人には、このHITTING SPORTSが上達していないこともわかります。まだまだ、データの採集と分析が必要です。そして理論をわかりやすくする必要があると思います。誤解を恐れずに言えば、私が考えている理論は、メジャースポーツのトップレベルの人たちには理解されつつあります。空手やキックボクシングの世界が遅れているのです。
最後に、審判員の育成も兼ねていましたが、みなさん一生懸命、自分の役割を果たそうとしていました。ミスはありましたが、仕方ありません。その失敗を糧にすれば、さらなる自己成長があるはずです。また、交流会終了後は協力道場の先生方と参加者と懇親会を実施しました。
相手の知識・情報量に合わせて話すことが下手な私ですが、是が非でもこのプロジェクトの意義を共有していきたいと思います。交流会に参加した皆さん、ありがとうございました。(増田 章)