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Channel: 増田 章の「身体で考える」〜身体を拓き 心を高める
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新型コロナウィルス感染拡大抑止中の組手稽古について

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 本道場では、飛沫、接触を控えるために面防具を必ず使うことにします。それに伴いこれまで顔面への突き技無しのTSベーシック方式の組手稽古を基本としてきましたが、顔面突きありのTSアドバンス方式(ヒッティング方式)も積極的に採用して行くことにします。また本道場では顔面突きありのヒッティング方式を初心者が安全に習得できる練習カリキュラム(拓心武道メソッド)を作成しました。ただし稽古方法の講習を受けていない指導員のクラスは、ベーシック方式の実施のみとします。今後、速やかにTS方式アドバンス方式の指導講習を受けてもらい、TSアドバンス方式の稽古ができるようにします。

【組手に上達するには】

 TS方式アドバンス(ヒッティング方式)は、正しい稽古方で稽古すれば、誰もが必ず顔面突きありの組手ができるように考えてあります。しかしながら、TS方式の稽古を軽く考えないようにしてください。「運動神経が発達しやる気があれば顔面突きぐらいすぐにできる」と考えているなら間違っています。

 組手に上達するには、優れた空手技術の習得と体力の向上という視点と認識のみならず、意識の高次化と身体の回路の開拓、感覚(センス)と技能(スキル)向上という視点と認識が必要なのです。その視点と認識を得るには「何をゴールとするか」「どんな技術を身につけるか」「技術をどのように使うか」ということの体系が修練法(稽古法)の中に構造化されていなければならないのです。

【空手武道人の誇りと仲間意識を醸成】

 おそらく拓心武道メソッドを行えば、誰もが顔面ありの組手稽古ができるようになると思います。しかし拓心武道メソッドは、増田が様々なスポーツや格闘技の体験と研究から修練法を編み上げています。あまり簡単に考えてもらうと残念です。私の願いは、TS方式の組手法(ヒッティング)を心ある人達に実践していただき、空手武道人の誇りと仲間意識の醸成にTS方式の組手法(ヒッティング)を役立たせることです。さらに低レベルなことをあえて言います。本道場では「最強の格闘家」を養成しません。また体力、根性を鍛えることを主眼とはしません。

【修行のゴール】

 本道場が大事にするのは、老若男女が仲良く、自己の可能性を開拓していくことです。その成果(ゴール)は明確ですが、先ず持って稽古に対する考え方を正さなければ成果を得ることは困難でしょう。本道場における稽古に対する考え方は、空手技の攻防に於いて、相手に自己の技を正確に用いること。同時に相手の技を正確に防御すること。そのような指標を持ちつつ技術の研鑽と技能の学習を行います。また大仰ですが、究極の目標は心の眼を開くことであり、空手武道修練は修行だと考えています。さらに言えば、修行のゴールは修練者の幸福と長生の実現です。

 

   もう一つ、より良い成果を得るためには自他の協働も必要です。協働には、自他が価値観やゴールを共有しなければなりません。我々は小さく未熟な団体です。だからこそ「仲間を尊重すること」「仲間を自己の成長を促してくれる存在として見ること」また「目先の勝ち負けに拘らず、仲間と楽しく仲良く修練をすること」という価値観とゴールを共有してもらいます。なぜなら、私の夢は仲間を尊重できる団体として、本道場が永続していくことだからです。

 

 最後に、これまでのような明確なゴールを有する研鑽と学習とは言えないような練習をしても、一時的なトレス発散や体力向上にしかなりません(それも悪いことではないでしょうが)。本道場は伝統的な基本と型を継承しながらも、その技の活用法を発展させます。それが組手形の修練です。また組手稽古も伝統的な組手法は残しながらも、武道修練の原点である人間的な成長の核心につながるTS方式の組手法を加えます。ただしTSアドバンス方式の講習をすべての指導員に行えていません。速やかに指導員には講習を受講させ指導できるようにしたいと考えています。併せて有段者の人達は空手武道の原点回帰とも言える組手法と組手形稽古の習得を始めてください。大袈裟ですが、それが空手道の黒帯を締める者の使命です。それが道を求めるということなのです。是非ともデジタル空手武道教本に目を通し、自習するようにしてください。今後、デジタル空手武道教本の内容を充実させていきます。

 

 


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