五行歌 やさしさの武道 〜井上雄彦「バガモンド」の武蔵へ捧げる
人の弱さは
自分と向き合い
自分を変える
努力の
起源となる
人の努力は
やさしさを
養分にして
人生の試練から
人を変え、救う
強さとは
他者と向き合い
他者を変える
希望の
起源となる
知るがいい
人の強さは
時に自分と異なる
他者を嫌い
遠ざける
知るがいい
人の弱さは
時に自分と異なる
他者を恐れ
攻撃する
人の強さは
やがて無くなる
残った強さは幻想だ
そんなものを
信じてはいけない
なぜ人は
弱さを強さに
変え、救う
やさしさという
養分を忘れるのか
もし自分の中の
やさしさを自覚し
大事にして生きるなら
いつか世の中を
救うことになる
いつの時代も
人は弱さを忘れてはいけない
人は強さに溺れてはいけない
やさしさそのものになるのだ
より善く自分を生きるために
やさしさは
時に人を救い、時に人に厳しい
だが、その本質は
人に真実の愛を
教えてくれるもの
武道とは
弱さの自覚から始まる
やさしさを
取り戻す
道
心一
▼初夏の妙高山