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Channel: 増田 章の「身体で考える」〜身体を拓き 心を高める
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サッカーの限界?〜「W杯の限界」に対する異議申し立て、その1

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朝日新聞の1面記事に対する、私の意見である。
スポーツとワールドカップ・サッカーが面白いと思う一人として、どうしても看過できなかった。
長い意見なので、2回に分けて推敲、掲載したい。
これから、山梨で行なわれる友人の結婚式に参列する。
その後の掲載としたい。



【サッカーの限界?~「W杯の限界」に対する異議申し立て、その1】

今回のワールドカップサッカーが面白くなかった?
「はあ?」
7月19日の朝日新聞の13面、オピニオンに、日本のトップレベルのインテリゲンチャと思われるH氏のオピニオンが1面に掲載されていた。

H先生のオピニオン(意見)は、「岡田監督的な守り重視のサッカーは駄目だ」と言うことである。さらに「今回のワールドカップ、すべてのチーム(ドイツ、オランダも含め)が防御中心で面白くない」と展開する。さらには、「W杯は限界、今後、期待できない」とも述べていた。

H先生の論旨を要約すれば、「スポーツとは、国家を背負って、必死にやるようなものではない」ということだと思う。

H先生はさらに、こうも述べていた。
「サッカーはゲームで、ゲームとは本来、運動することの爽快感や驚きが原点点のはずだ・・・。W杯は『命懸けの真剣勝負』に見えてしまう。お互いもう少しリラックスしなければ、やっている選手も、見ている側も楽しめない」

右傾化する世界を憂い、せめてスポーツはというH先生の思いなのであろう(私にもその傾向に対する憂慮はあるが、だからこそ、である・・・)。

H先生の気持ちは解る。しかし・・・。スポーツに対する認識も間違っているし、サッカーや選手のことも解っていない。また、新聞の一面すべてを使い掲載する価値があるのかも、正直言って疑問である。さらには、ゲームの本質も解っていない。

あえて断っておくが、私は20年以上にもわたる朝日新聞の愛読者である。他紙も同時に購読していた時期もあるが、経済的、時間的な余裕がないので、現在は朝日のみである。

また私は、岡田監督のサッカー解説が好きである。岡田監督は前回のW杯では、良い仕事をしたと思っている。


兎に角、私の見解とH先生の見解は、かけ離れていた。そして、私はそれを受け入れることができない。そして、なぜそれを批判しているかと言えば、そのような考え方では、この国のみならず、この世界がより悪くなると考えるからだ。

さて、私の見解は以下である。
まず、今回のワールドカップサッカーのレベルは上がっていると思う(一部の国を除いて)。また、サッカーワールドカップは、オリンピックの存続にも影響するぐらい、しばらくは発展するに違いないと踏んでいる。

次に、ワールドカップは「国対国」だから面白いのだ。氏は、それをスポーツ文化の堕落と言いたいのであろう。

しかし、このように考えられはしないだろうか。

【ワールドカップ・サッカー論】
以下に私のワールドカップ・サッカー論を展開したい。

ワールドカップ・サッカーの存在意義は、「理性を基盤とする、様々な抑止力や暴力性の昇華手段」である。
以下にその意味を説明したい。

はじめに、ワールドカップサッカーはチャンピオンスポーツと定義したい。
チャンピオンスポーツの最終目的は、人間教育手段であると私は考えている。勿論、プロ的なスポーツは、スペクタクル性を重視し、人間教育とは相容れない部分があるのは解っている。ゆえに、スポーツ選手の中には、私の理想とするスポーツ選手(アスリート)のあり方から逸脱するケースも間々あるのは解っている。

しかしながら、優れたゲーム(スポーツの)には、身体と知性を協働させる効用がある。例えば、単なる知識の暗記力を競うような、現在の学科試験のようなものではなく、全知全能を刺激し、その協働を要請する。

また、優れたゲームは、数学のような法則性が見いだされる面もあるが、全く予測不能な面もある。ゆえに、ゲーム(遊び)のプレーヤーは、想定外の情況に対応しなければならないのだ。

また、サッカーのプレーヤーは、相手の戦術を瞬時に理解しなければならない。同時に自己のチームのプレーヤーとの情報伝達と共有を計り、瞬時に最善の対応策を実行しなければならない。
このことは、サッカーが高いコミュニケーション能力を必要とするということである。

私は、チャンピオンスポーツとしてのサッカーが有する、そのような面を活かせば、人間教育に役立つと思っている。また、駄目なチームに足りないのは、フイジカルや技術面のみならず、コミュニケーション能力ではないかと、私は思っている。さらには、一人ひとりのメンタルタフネスが足りなかったのかもしれない。

脱線するが、私の直観では、今回の日本代表の惨敗の要因のひとつは、選手間、あるいは監督と選手のコミュニケーションが上手くいかなかったことがあるように思えてならない。なぜなら、日本のサッカー選手には、もう少し上を狙える力があったように思うからだ(厳しいかな・・・)。


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