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Channel: 増田 章の「身体で考える」〜身体を拓き 心を高める
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夢 〜将来世代へ  その3

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夢 ~将来世代へ  最終回

【フリースタイル空手プロジェクトの目的】
 最後に、私がフリースタイル空手プロジェクトを推進する目的は何か?
一言でいえば、空手を行う子供達に夢と希望を与えるためだ。そのようなものを残すことが、先に死んでいく者の誇りになり、満足になる。

 補足すれば、空手武道を人と社会になくてはならないものにすること。
つまり、空手武道を社会体育と人間教育に貢献する文化的ソフト(教育手段)に高めるということだ。
 空手は現在、愛好者の数も多く、充分、社会体育に貢献していると思う。私は、それをさらに進化させ、将来の社会を担って行く子供達、そして中高年の社会体育と人間教育になくてはならないものにしたいと考えている。


 例えば、空手のみならず多様な格闘技愛好者が、多様な流派の看板を背負いながら集まり、公明正大に技と心を競い合う。そのような場ができたら、格闘技がもっと輝く。また、フリースタイル空手トーナメント(競技)が流派間の戦いに見えたとしても、それは対立的争いではない。あくまで、同じルールと価値を共有する仲間同士の交流である。また、安全性を確保した上で、公正性、開放性、創造性、実用性をより高めた格闘競技がフリースタイル空手なのだ。その目標は、格闘競技をフットボール(サッカー)のようにすることである。

 想像できるだろうか?人間は多様である。ゆえに空手や格闘技のスタイルも多様で良い。しかし、多様な個性が互いに対立し、否定し合うのではなく、影響し合い、高め合う。そして互いを承認し合う。そのような状態、状況を空手や格闘技者が実現することができたなら、必ず格闘技は、高い社会的承認を得られるようになるはずだ。これまでの空手や格闘技は、見た目の強さを競い、それを表現する手段であった。私は今、そのことを否定しないが、それとは異なる価値を提示したい。


【外部の人達が納得できるルールの設定~バイアスの除去】
 重要なことは、礼法(マナー)を護り、内部の人達だけが納得できるルールではなく、外部の人達が納得できるルールを設定することだと考えている(ルールに興味がある人はIBMAのサイトをご覧下さい)。

 既存のルールにはバイアスがかかり過ぎている(偏見に左右されやすい)。それを改善するには、ルールを一旦解体して、新しい枠組み(ルール)を提示するというのが、私がここ数年やってきた仕事だ。

 そのような構想の有効性は、武道とは、異なる分野の勉強をする中で確信となりつつある。ただ、その構想が実現するには、あと何をクリヤーすれば良いのだろうか・・・。

 稚拙な例えを繰り返し恐縮だが、私の描いた絵は、今は理解されていないが、必ず売れるようになる(正直言って、私が生きている間、絵は売れないかもしれない・・・いつも家族に申し訳なく思っている)。

 また、私が最も嫌いな俗っぽい宣伝の仕方だが、フリースタイル空手は、ドラゴンボールの「天下一武道会」に最も近いスポーツ武道になるだろう。

 その核心は、空手や格闘技の有する現在のマイナーな価値を、多様な人間の言葉を超える交流手段(コミュニケーション手段)という、新たな価値に再編集することだ。そうなれば、格闘技が21世紀にふさわしい人間教育ソフトに生まれ変わる。さらに、これまでマイナーだった空手や格闘技が社会においてメジャーな存在になり、子供達に夢と希望を与えられるようになるだろう。
 
 兎に角、大人達に考えてもらいたい。子供達に夢や希望を与えることが、大人の仕事、責任ではないだろうか。それは子供のみならず、大人自身の誇りを育むことに繋がって行くはずだ。


(終わり~選手の皆さん、大会DVDは来年1月頃になると思います。なるべく急ぎますので、お待ち下さい)








増田章の『身体で考える』


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